
厚生労働省の「エイズ動向委員会」は23日、エイズを発症していることが新たに分かった患者の昨年の報告数が、年間報告数の集計を開始した1985年以降、最多の484件だったと発表した。新たにHIV感染者だと分かったのは1106件で、過去2番目に多かった。【佐藤貴彦】
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同委員会は、都道府県などからの報告に基づいて、国内のエイズ患者やHIV感染者の発生動向を把握し、公表している。昨年のエイズ患者の新規報告数は、これまで最多だった2011年の473件を11件上回った。
一方、HIV感染者の年間の新規報告数は、01年に600件を超え、08年の1126件をピークに1000件以上で高止まりが続いている。昨年の報告数は、前年比104件の増だった。
同日に記者会見した同委員会の岩本愛吉委員長(東大医科学研究所教授)は、「(HIV感染者の)報告数が実際に感染した人の数をある程度反映するとすれば、少なくとも08年までは、感染者数も増えていた可能性が高い」と分析。HIV感染からエイズを発症するまでに一定の時間がかかることから、エイズ患者の新規報告数は今後も伸びる可能性があるとの見方を示した。
また、HIV感染者の報告数については、「高い値で横ばいになっている。委員会では新規(の感染者)が増えていると言うのは尚早との意見もあったが、注意深く見る必要がある」と指摘。早期にHIV感染が分かれば適切な治療を行い、エイズ発症の予防や感染リスクの低下にもつなげることができるとして、「リスクがある人はぜひ検査を受けてほしい」と述べた。
■都道府県別の報告数、エイズ・HIVとも最多は東京
新規にエイズ患者だと分かった報告数を都道府県ごとに見ると、最も多いのは東京(110件)で、以下は大阪(54件)、愛知(33件)、千葉と神奈川(各30件)などの順だった。人口10万人当たりの報告数でも最多は東京(0.827件)で、以下は大阪(0.610件)、沖縄(0.565件)、広島(0.528件)、滋賀(0.494件)などと続いた。
HIV感染者の新規報告数は、東京(363件)、大阪(172件)、神奈川(89件)、愛知(65件)、福岡(46件)などが多かった。人口10万人当たりの報告数は、東京(2.729件)、大阪(1.944件)、沖縄(1.060件)、神奈川(0.980件)、香川(0.914件)などの順だった。