【ニューヨーク=黒沢潤】イスラエル軍によるイスラム原理主義組織ハマスが支配するパレスチナ自治区ガザ地区への地上侵攻をめぐり、国連のフェルトマン政治局長は18日、双方の戦闘を終結させるため、潘基文(パン・ギムン)事務総長が19日に中東地域を訪れ、調停に乗り出すことを明らかにした。イスラエルなども直接、訪問する見通し。
フェルトマン氏は18日の安全保障理事会の会合で、「ガザ地区からイスラエルへの無差別ロケット弾攻撃を非難する」と強調する一方、イスラエル軍の反撃も過剰だと警告した。
ただ、イスラエルのプロソル国連大使は「ハマスはパレスチナ人犠牲者を(イスラエル攻撃の)プロパガンダに利用している」と強調。パレスチナのマンスール国連大使は「(イスラエル軍の)犯罪」を終結させるよう安保理に訴えるなど非難の応酬が続いている。
ロイター通信によると、パレスチナ自治政府のアッバス議長は同日までに、パレスチナ人を国際的な保護下に置くよう求める書簡を潘氏に提出した。ただ、国連外交筋によれば、アッバス氏が具体的に何を求めているかは不明瞭だという。