
東京や大阪などで咽頭結膜熱(プール熱)が流行の兆しを見せている。6月2日から8日までの週の患者報告数(小児科定点医療機関)は、東京で前週比25%、大阪で同12%それぞれ増加。警報基準値を超過する地域も出てきており、報告が急増した東京都中野区は「これから夏場に向けて流行期となるので、動向に引き続き注意する必要がある」としている。【新井哉】
東京都内の定点医療機関当たりの患者報告数は0.89人。保健所管内別では、中野区が4.14人で最も多かった。以下は大田区(3.0人)、多摩小平(1.67人)、みなとと文京(1.5人)、中央区と江東区(1.33人)などの順。年齢別では5歳以下が全体の9割以上を占めた。警報基準値(3.0人)を上回った中野区では、2か所の幼稚園で集団感染が発生し、学級閉鎖などの措置が取られたという。
大阪府内でも中河内で警報基準値を超える3.25人を記録。大阪市北部でも2.29人と多く、府内全体では東京都を上回る1.24人となっている。
隣接する兵庫県でも前週比12%増の1.15人を記録したことから、同県感染症情報センターは、▽感染者との濃密な接触を避ける▽流行時はうがい、手指の消毒を励行する▽水泳前後のシャワーや、タオルの共用を避ける―といった予防策を挙げ、注意を呼び掛けている。
咽頭結膜熱は、アデノウイルスによる急性ウイルス性感染症で、のどの炎症や発熱、結膜炎の症状が出る。プールでの感染も多いことから「プール熱」とも呼ばれ、主に夏場に流行する。感染経路は主に接触感染や飛沫感染だが、タオルやドアの取っ手、エレベーターのボタンなど患者が触れたものを介してうつり、保育園、幼稚園、小学校などでの集団感染も少なくない。