
【ワシントン=小雲規生】オバマ米大統領は1日、ホワイトハウスで、看板政策である医療保険制度改革(オバマケア)の保険加入の登録者数が目標を上回る約710万人に達したと発表した。オバマ氏は声明で「大きな一歩を踏み出した」と述べ、オバマケアが国民の支持を得た意義を強調した。ただし保守層の間では保険加入義務づけへの反発や保険料値上がりへの懸念は根強い。11月の中間選挙を控え、改革の是非をめぐる民主、共和両党の論戦は続きそうだ。
「廃止をめぐる議論は終わった」。オバマ氏は声明で、オバマケアへの反対を続けてきた共和党への勝利を宣言した。
オバマケアでは昨年10月の登録開始後、連邦政府が開設した各種保険を比較して購入を申し込めるウェブサイトで大規模な障害が発生。先月末の締め切りまでの目標だった700万人の登録は絶望視されていた。
しかし、オバマ政権は有名人を起用したテレビ広告などでPR作戦を展開し、オバマ氏自身も若年層に人気のコメディー動画サイトに出演して保険加入を呼びかけるなどした。この結果、2カ月間で登録者は400万人近く増え、医療保険に対する需要の大きさが示された。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は1日、「意義深い成果だ」と評価した。
ただ、保険料値上がりの懸念も残ることなどから、共和党のマコネル上院院内総務は1日、「(オバマケアによる混乱は)米国にとって破滅的な出来事だ」と強く批判した。オバマ氏も「すべての問題が解決したわけではない」と認めており、問題は根深い。
1日に米紙ワシントン・ポストとABCテレビが発表した世論調査では、オバマケアへの賛否はほぼ互角だった。しかし、見直しに「強く反対」との回答は36%で、「強く賛成」の25%を大きく上回っている。米CNNテレビ(電子版)は、中間選挙の投票率は大統領選に比べて低い傾向があることを指摘し、「(投票に積極的とみられる)強い反対者の存在は共和党を利する」と分析している。
【北京】満州人が中国を支配していたとき、そこは南海と命名された。漁師の避難場所となった小島や環礁、礁湖が点在する海域だ。
今日の地図で南シナ海と呼ばれる海は、国際水路機関(IHO)が1953年に刊行した「大洋と海の境界」で英語の名称が付けられ、位置が定められた。それは世界経済にとって決定的に重要な意味を持っている。
世界の海上貿易の半分以上がこの海を通って行われる。急成長を遂げているアジア太平洋諸国と欧州や中東、アフリカの市場を結びつけるルートで、膨大な石油埋蔵量があるともみられている。
しかし、中国を統治している満州帝国の継承者がそのほぼ全部を自分たちが誇らしげに復活させている古代国家の一部だとますます強引に主張していることは、中国の周辺国のみならず米国も驚かせている。
彼らの歴史的な主張に基づく境界は、9本の境界線「九段線」で記されている。これは中国南部の海南島から遠くはインドネシア北岸近くまで伸びる線で、だらりと垂れた大きな舌のように、輪を描くように下がっている。
「九段線」はこれまで常に不可解なものだった。旧中国国民党政権が台湾に逃れる前の内戦終戦前の混沌とした時期である1946年に描かれたものだ。実際、当初は9本ではなく11本だった。勝利を収めた共産党員がこの線を採用した後、1953年にそのうち2本が削除された。地図作成者は規模と正確さを尊重するが、九段線は正確な位置を示していない。太くて黒いマジックペンで書き足されたように見える。
さらに、中国政府がこの九段線の意味を適切に説明したことはない。この線の内部に点在する領域の要所に対する「疑う余地のない主権」という中国の主張は、この線自体から発生しているのだろうか。あるいは、その逆で、この線は領域の要所と周辺の海域から発生しているのだろうか?
フィリピンやベトナム、ブルネイ、マレーシアといった領有権問題で対立する中国の周辺諸国は、想像することしかできない。
こうした理由のため、国際法に従えば、九段線の正当性が認められる可能性はほとんどないだろうというのが、欧米の法学者たちの一般的な見解だ。
ほどなく、この問題がはっきりする可能性がある。フィリピンは3月30日、国連の常設仲裁裁判所に提出した4000ページの意見陳述書の中で、九段線が無効だと主張した。こうした主張はこれまでで初めて。九段線に法的強制力がないと判断されれば、国連海洋法条約に基づいて設定された排他的経済水域(EEZ)内の沖合いのエネルギー資源や漁業資源の開発が可能となる。中国はこれまでのところ、法的手続きを行っていない。
フィリピンの今回の画期的な行動には中国の反発というリスクが伴う。中国政府は既に、フィリピン政府との政治的関係をほぼ凍結している。ここ数日間、南シナ海のアユンギン(中国名・仁愛)礁への物資運搬をめぐり、中国船とフィピリン船舶がにらみ合うことになった。
しかし、もっと重要かつ、戦略計画レベルに発展する可能性のあることは、米国がそれまでの外交的慎重姿勢を止め、九段線を批判する勢力に加わっていることだ。
米国務省東アジア太平洋地域担当のダニエル・ラッセル次官補は2月の議会証言で、米政府は主権問題ではっきりした見解を示していないが、中国が九段線によって領有権を主張しているため、「不確かさや不安感、不安定さ」が増していると指摘した。同次官補はその上で、米国は「国連海洋法条約に従い、中国が九段線の主張を明確にし、調整することを歓迎する」と述べた。
中国外務省の報道官は、「南シナ海での中国の権利と国益は歴史的に形成され、国際法で保護されている」と述べたが、それ以上の詳細には触れなかった。
米国家安全保障会議で以前に中国・台湾・モンゴル関係を担当したPaul Haenle氏は、米国の姿勢転換につながったのは、昨年11月に中国が尖閣諸島などを含む東シナ海上空に広い範囲の防空識別圏(ADIZ)を設定したことだとの見方を示した。
米政府はそれ以降、中国政府に対し、南シナ海で同じことを行わないよう明確に警告している。Haenle氏は米国は「ある朝目覚めて、この地域全体が変わっていること」を恐れていると指摘した。
しかし、米国が示唆するように、九段線を変更することは中国政府にとっては政治的に不可能かもしれない。中国はフィリピンの行動をあまりにも傲慢だとみなしている。習近平国家主席のいわゆる「チャイナ・ドリーム」に対する侮辱だと受け止めているからだ。
この件に関する国連仲裁裁判所の判断は明らかでないが、フィリピン政府の主張が認められる場合には、中国はその判断を単に無視し、以前と同じことを続けるだろう。最も簡単な解決策は、当事国すべてが領有権問題を棚上げし、同地域の天然資源の共同開発に焦点を絞ることだ。
しかし、これは中国帝国が伝統的に物事に対処してきた方法ではない。ここ数日間、フィリピンなどの小さな諸国は、中国を頂点とする階層の底だという身の程を知ることになった。フィリピン政府がその秩序を乱すのを中国が黙認するとは考えにくい。
Andrew Browne
韓国軍と情報当局は2日、韓国のペンニョン島と京畿道坡州(パジュ)で墜落した無人航空機を精密分析した結果、北朝鮮で製作されたものであるとの見解を示した。複数の韓国メディアが報じた。
韓国メディアは、これまでの軍当局者などの情報から推定すると、今回坡州とペンニョン島で発見された無人航空機は、2機とも北朝鮮製である可能性が高いと伝えた。
まず、2機の無人航空機の特徴を見ると、飛行中は目につかないように外観が水色と白で覆われている。一般の愛好者の航空機とは異なり、軍の偵察用である可能性が高いとの見方を強めた。
また、2機ともに小型カメラが発見され、3月31日にペンニョン島で発見された無人航空機は、島の軍部隊はもちろん、島の全域を撮影したとみられている。3月24日に坡州で発見された航空機が撮影したとみられる画像は、鮮明ではなかったものの、大統領府上空を接写したとされている。
これらの無人航空機は、着陸地点の座標を入力すると、飛行後に戻ってくるフライトコントローラが装着されており、動力としてバッテリーではなく、エンジンを使用した点も愛好家の航空機とは異なる点であると指摘した。
無人航空機が北朝鮮のものではないかという疑惑の背景には、ペンニョン島で発見された航空機の場合、北朝鮮の射撃訓練直後に発見されたという点にあると指摘。また、坡州で発見された無人機に装着されていたリチウムイオン電池に記されていた「使用開始日」の日付表記方法が、韓国のものとは異なることも「北朝鮮製」の疑いのひとつと伝えた。
北朝鮮が射撃訓練をした後、韓国軍の動きを探るための偵察用に飛行させた可能性があるとみている。
さらに、1週間の間に、2機の無人航空機が墜落するまで、韓国軍当局が発見できなかったことについては、韓国の防空網に「穴」があったのではないかとの議論も高まっていると伝えられている。
専門家は、この無人航空機が超小型のため、低空レーダーでは鳥と認識されるなど、韓国軍に捕捉されないうえに、もしも自爆機能が追加された場合は、別の脅威になると警告した。カメラを装着すると偵察目的のため、爆薬を装着するとスマート爆弾のように一定の目標に落下させ、爆撃できるような機能も持つことができるとして、懸念している。(編集担当:李信恵)(イメージ写真提供:123RF)