
日本料理店「オクラ」のオーナーシェフ、マックス・レヴィさん(35)は妥協しない。自分に厳しい基準を課しており、中国で質の高い食材が入手できなければ料理の提供を断念する。例えば、みそ汁を求めて来店しても失望するだけだろう。
レヴィさんは「メニューに妥協はない。全くない」と話す。これが新たに開業したレストランに、地味な野菜「オクラ」の名前を冠した理由のひとつだ。「オクラは好き嫌いがはっきりと分かれる数少ない野菜の一つだ」とレヴィさんは語る。また、「これはある意味で私の個性であり、ある意味で料理のあり方だ」とも述べた。
レヴィさんはニューオリンズで生まれ育ち、ニューヨークで8年間日本料理を学んだ。ここで腕を磨いたレヴィさんはニューヨークの「Sushi Yasuda(寿司安田)」で唯一の日本人でないすし職人として一躍有名に。2007年には北京に移り、有名ホテル、ザ・オポジットハウス(瑜舎)に入居する北アジア料理店「Bei」で料理長を務めた。
お品書き:オクラではすし職人のルーツに回帰。シーフードに力を入れたメニューはシェフとしてのレヴィさんを際立たせている。中でもすしは圧巻だ。厚いスレートに並べられたすしは、一つ一つで風味が完全に整えられている。わさびやしょうゆを追加することはできない。すし盛り合わせ(225元=約3700円)ではタイ、シマアジ、マグロなどを味わうことができる。
生魚以外の料理も食欲をそそる。サバ焼き(150元)はシイタケと小さな乾燥エビの上に盛られている。タコの蒸し煮(150元)はよだれが出そうなほど柔らかい。茶わん蒸し(90元)にはジューシーな車エビが添えられている。のどが渇けば十数種類の酒も用意されている。
オクラではみそ汁の代わりに非伝統的な「うなぎスープ」を出している。中に入っている具材は発酵した豆腐や大根、乾燥ホウレンソウ、オクラだ。
空間:オクラは北京の「1949 ザ・ヒドゥンシティ」にある。この複合施設には全鴨季や塔瓦娜、ヌードルバーなども入居。オクラの内装は香港のデザイナー、Sean Dix氏が手がけたもので、シンプルで上品。座席数は40席のみで、暖かみと親しみやすさを醸し出している。
店の前方には小さなカクテルバーあり、奥のすしバーではレヴィさんらが腕を振るっている。
予算:ぜいたくをしたければ「おまかせセット」(400~850元)を注文するといい。すし6-10貫のほか、たくさんの小皿料理がついてくる。
オクラの住所と連絡先:1949 The Hidden City, Courtyard 4, Gongti Bei Lu, Sanlitun, Chaoyang District, Beijing/+86 10 6593 5087/okra1949.com
NPO法人、TABLE FOR TWO International(テーブル・フォー・ツー・インターナショナル、TFT)は22日、「先進国の余分なカロリーを、開発途上国で必要なカロリーに変換する」取り組みである「カロリーオフセット」を開始すると発表した。「健康を意識した」対象商品を購入・利用すると、売上の一部などが開発途上国側に寄付され、菜園づくり、農業の生産性向上など、自発的にカロリーを生み出すための支援に充てられる。TFTによると、フィリピンの火山被災者再定住区の学校菜園拡張が支援先に決まった。フィリピンで行われた記者会見では、安倍晋三首相のメッセージも読み上げられた。(画像提供:TFT)
「オフセット」には「差し引き計算する」との意味がある。「カロリーオフセット」ではまず、運動の趣旨に賛同する企業の参画を募り、「カロリーや塩分を抑えた食品や飲料」、「体を動かすことでカロリーを消費する商品やサービス」などの対象を設定する。消費者には自発的に対象商品を購入してもらう。売上の一部などが開発途上国における「必要なカロリーを生み出す事業」の支援に用いられる。
これまでに、流通業ではローソン、食品製造業ではOisix(オイシックス)、江崎グリコ、永谷園、ダイエット関連ではREPUL(リプル)が参画を決めた。対象商品には、ロゴマーク(写真)をつけ、消費者の目印になるようにする。ロゴマークのデザインは「あなたがオフした余分なカロリーが、見えないだれかに手渡され、地球にあらたな豊かさをもたらす」などの理念をイメージしたものだ。
TFTによると、支援先としてフィリピン・バラバイ地域のピナトゥボ火山被災者再定住区の小学校が決まった。1991年のピナトゥボ火山噴火では、田畑や居住地埋没で、120万人の被災者が発生。被災者再定住区の小学校(生徒数710人)では、栄養状態が極めて悪い子どもが100人以上いるにもかかわらず、外部支援に依存する給食は滞りがちだ。そのため、カロリーオフセットにより学校菜園を拡張することになった。収穫物は給食の食材として用いられる。
TFTは22日、同国マニラで開催された世界経済フォーラム東アジア大会において、カロリーオフセットによる火山被災者再定住区の小学校を支援するプロジェクトを説明する記者会見を設けた。
同記者会見には、世界経済フォーラム東アジア大会共同議長であるローソンの新浪剛史会長、オイシックス高島宏平代表取締役らが出席して、プロジェクトへの参画を説明。また、安倍晋三首相もメッセージを寄せた。
安倍首相はメッセージで、寄付を通じて開発途上国が「自らカロリーを生み出していくような取り組みを行っていく」ことを高く評価。さらに、「フィリピンを起点に、世界全体に広がっていくことを祈念」などとして、同取り組みに期待を示した。(編集担当:如月隼人)