
2025年には県内で最大1170人の医師、1万5150人の看護職員が不足する―。千葉県が14日に公表した県内の医師・看護職員長期需要の調査事業報告書では、高齢人口が急増することが確実視される中、将来的にも医師や看護職員の確保が難しいとの予測が示された。報告書では、3パターンの推計を提示。現場の必要求人医師数などを盛り込んだ2パターンで推移した場合、「急速な増員が必要」としている。【新井哉】
報告書では、25年の入院患者数の推計は、10年(4万5000人)に比べて33%増の6万人で、このうち65歳以上の入院患者数は、10年比57.8%増の4万6000人。25年の外来患者数も10年に比べて10.1%増の26万2000人になるとした。
こうした状況などを踏まえ、25年の推計患者を基に必要な医師と看護職員数を推計。医師不足などを加えない「低位推計」では、25年に医師が60人不足すると指摘。必要求人医師数を加えた「中位推計」では940人、必要求人医師数と、各医療機関が必要としながらも求人していない医師数を加えた「高位推計」では1170人不足すると予測。看護職員も同様の推計で4530―1万5150人が不足するとした。
また、医師や看護職員の就業実態を調べるために行ったアンケートの調査結果も提示。医師確保対策の手段で最多の回答(複数回答)は「大学の医局からの紹介」(59.4%)で、「民間の紹介会社」(47.5%)や「インターネット上の求人広告」(42.6%)も多かった。
報告書では中位・高位推計で推移した場合、「患者数がピークに達する25年から30年までに時間的な余裕がない中、かなり急速な増員が必要」と指摘。改善策として、国に対して将来の人口を踏まえた病床の配分や、研修医枠の設定を働き掛けることなどを要望。また、県外で就学する女子医学生への就学資金を貸し付けるといった「女性医師の支援」や、院内保育所やフレキシブルな勤務形態の促進といった「潜在看護師の復職支援」の必要性も挙げた。