福岡市は11日、市内の医療機関で職員16人が肺結核に集団感染したと発表した。初発患者を含め発病者は4人。初発患者は現在も入院治療中で、ほかの3人は通院による服薬治療を受けている。市は医療機関名などを公表していない。【坂本朝子】
市の保健予防課によると、市内医療機関に勤務する20代の女性職員が今年2月下旬から咳症状を訴え、3月13日に別の市内医療機関を受診。5月1日に肺結核と診断され、その翌日、結核専門病院へ入院したという。
同職員の家族や友人、受診医療機関と勤務医療機関の職員ら46人の接触者を対象にレントゲン検査と血液検査を実施したところ、初発患者と同じ医療機関に勤務する職員15人が感染しており、うち3人が発病していたことが明らかになった。
初発患者は現在も入院中だが重症化はしておらず、ほかの3人はいずれも快方に向かっているという。陰性だった31人は、今後2年間、半年ごとに検査を実施する予定。同課の担当者は、「ほかに広がる恐れはないと考えられる」と話している。
福岡市の結核感染者数は全国平均値よりは低いが、年間230人程度の新規感染者が発生しており、横ばい傾向が続いている。市では、長引く咳や痰などの気になる症状がある場合には医療機関を受診するよう呼び掛けている。