
ベンチャーキャピタル(VC)大手の日本アジア投資(JAIC)が大規模太陽光発電所(メガソーラー)事業に参入した。2月末に高知県東洋町で稼働を始めたほか、福島県内でもすでに土地を確保。さらに宮城県など数カ所でも設置を検討している。
高知で稼働を始めたのは最大出力1.7メガワットの「東洋町メガソーラー発電所」。JAICが100%出資する特定目的会社「ソーラーレボリューション高知東洋」が運営する。同町に4.8ヘクタールの土地を確保し、6億円を投じて建設した。
年間発電量は、一般家庭660世帯分の年間電力消費量に相当する約230万キロワット時を想定。発電した電力はすべて四国電力に売電する。
JAICは、福島県内でも大手商社グループと共同でメガソーラーの建設に取りかかっている。現時点で発電規模などは未公表だが、高知県東洋町のメガソーラーとほぼ同規模とみられる。早期の稼働を目指し造成工事に入っているが、現地では建設業界を中心に人手不足が深刻なため、稼働時期が遅れる可能性もある。
太陽光など再生可能エネルギーからつくった電気を国が定めた単価で一定期間、電力会社が買い取ることを義務づける「再生可能エネルギー特別措置法」が2012年7月に施行した。それ以来、異業種企業がメガソーラー事業に数多く参入している。
こうした中、メガソーラー発電所のなかでも比較的小規模な2メガワット以下であれば、昇圧設備や接続用の鉄塔などを事業者の負担で用意する必要がない。少ないコストでメガソーラー事業が展開できるため、小規模のメガソーラー発電所の建設が相次ぐとみられる。
VCは創業初期のベンチャー企業に出資して株式を取得し、株式公開時に売却して利益を得るビジネスモデルを展開している。しかし08年のリーマン・ショック後の株価下落に加え、デフレ経済の長期化で保有する株式が評価損となり上場企業数が激減した。
さらに商社など事業会社がファンド(基金)を立ち上げて、ベンチャー企業へ投資する手法も一般化したことで、VCを取り巻く事業環境が厳しさを増している。
JAICは「コンスタントに利幅が得られるビジネスモデルの確立が不可欠」(企画グループ)として、資産の保有により安定的な収入を継続的に得られる「インカムゲイン志向型投資」を新たな収益の柱に据える。高知でのメガソーラー事業動向をみながら、新規プロジェクトの稼働に向けた案件の発掘に力を入れる方針だ。(松村信仁)