【TV視てますか?】知らなかったけど、滝藤賢一って、あの「無名塾」出身だったんだね。しかも真木よう子と同期だそうだ。真木は今年の日本アカデミー賞で最優秀主演女優賞と最優秀助演女優賞をW受賞し、ドラマも『MOZU』で大活躍。さすが仲代達矢さん、名伯楽だ。
その滝藤がドラマ初主演しているのが水曜夜のテレ東『俺のダンディズム』。(いい意味で)いかにもテレ東っぽいこの深夜ドラマで毎回、滝藤の恐るべき才能全開の快演・怪演に抱腹絶倒させられている。彼を主役に起用したプロデューサーの慧眼にも大拍手を送りたい。
それにしても滝藤、面白すぎる。
映画『踊る大捜査線』のシリーズ最終作で彼が演じた王(わん)さんという中国からの派遣刑事のセリフ回しのおかしさは、映画黄金期の藤村有弘や小沢昭一や谷啓の怪演をホーフツさせたけど、今回の『俺のダンディズム』での「段田一郎」はその10倍では効かない。
某企業の営業課長に昇進した段田一郎、41歳、既婚、年収710万円。お気に入りの新人部下・宮本南(石橋杏奈)に「課長、ダンディですよ」と言ってほしくて、銀座「マダムMの店」の美人店主・美幸(森口瑤子)を訪ね、ダンディズムの知識やダンディな嗜好(しこう)品を教えてもらう。
腕時計、万年筆、靴、手帳、眼鏡、鞄、財布、傘…。
森口瑤子のレクチャーの一言一言に、千差万別の滑稽なリアクションで反応する滝藤。このギャグ風演技がすごい。よくもまぁ、いろんなバリエーションを手を抜かずに演じられるものだ。さすが、無名塾出身(?)。
劇中、ジローラモ本人が出る「明日使える ダンディズム講座」なんて番組を毎回、喫茶店のテレビでナポリタンを食べながら見てはメモし、後で実際にまねするお決まりの場面なんか、笑いすぎてホロリ、なのだ。 (新橋のネクタイ巻き)