
【エンタなう】書き入れ時であることから日本の映画会社、大映が宣伝で呼び出した造語がゴールデンウイーク。今年は興行収入100億円の壁をあっさり超えたディズニーアニメ「アナと雪の女王」の一本かぶりになりそうだ。一本かぶりとは、一頭抜けた馬がいるレースを指す競馬用語だが、「アナ」どころかド本命なのである。
過酷な運命を背負った王家の美人姉妹が、凍った世界から国を救い出す愛の冒険譚なのだが、アンデルセン童話の名作『雪の女王』を上手く換骨奪胎している。
オトナ目線で鑑賞してみた。あまりネタバレしないように、見どころを4つ挙げてみる。
(1)ディズニーのプライドをかけた映像美…ピクサーや宮崎アニメを大いに意識したのでは? とくに雪の描写が素晴らしい。
(2)異例のダブルヒロイン…ディズニー史上初だという。姉のエルサと妹のアナ。兄弟姉妹だからこそ、ひとすじ縄では行かない人間関係がていねいに描かれる。
(3)音楽の素晴らしさ…ブロードウェーでのミュージカル化の話も進んでいるそうだ。とくに、姉妹の思いが交錯する二重唱が胸に迫る。
(4)吹き替え版も良い…日本語版でもアナ(神田沙也加)、エルサ(松たか子)が熱演。松の上手さはもちろん、ミュージカルで鍛えた神田が、ここまで力を発揮するとは思わなかった。雪だるまのオラフ(ピエール瀧)もいい味を出している。最も耳に残る歌「レット・イット・ゴー」は、劇中を松、エンディングをMay J.が歌う。
ちょっとディズニーの「ドヤ顔」が気にはなったが、文句のつけようがない傑作だ。あと、開演時間には遅れないように。冒頭で、同時上映の「ミッキーのミニー救出大作戦」が6分間流れる。ディズニーアニメがいかに進化してきたかが一目瞭然である。 (中本裕己)