九州保健福祉大(宮崎県延岡市)が、細胞検査士を養成する「生命医科学部」の来年春の新設を目指している。同大では、来月にも文部科学省に設置届を提出する。同大によると、細胞検査士を養成する学部は九州初という。【真田悠司】
細胞検査士は、患者から採取した細胞を顕微鏡を用いて検査し、がん細胞の有無を調べる医療専門職で、日本臨床細胞学会と日本臨床病理学会が認定している。認定試験を受けるためには、臨床検査技師の資格取得後、医療機関や検査施設で1年以上の実務経験を積むか、大学での専門教育を受ける必要がある。
同大の担当者によると、医療機関は予算や人員確保の問題から、細胞の検査を外部業者に委託していることも多いが、現場でのニーズは高く、既に県内の病院などから、細胞検査士の資格を取得した卒業生を「採用したい」との声も上がっているという。1学年の定員は60人を予定している。
同大によると、細胞検査士を養成する学部は全国で8番目。同大では9月にも校舎の建設に着手、来年4月の開設を予定している。
宮崎県と大分県では現在、産官学が連携し、血液や血管に関する医療を中心に、医療機器産業の集積と発展を目指す「東九州メディカルバレー構想」を進めている。同大では新設学部から人材を輩出させることで、同構想をサポートする考えだ。