
渡辺喜美代表の8億円借り入れ問題で、みんなの党が苦境に立たされている。代表自身が他党の「政治とカネ」をめぐる問題を厳しく批判してきただけに、公に姿を見せず説明責任を果たせていない現状への不信感が跳ね返ってきている格好。「本音は辞めてほしい」との声が党内から漏れ、党発祥の地と位置付ける神奈川の地方議員からは「代表の明確な説明が急務」と要請されるなど、足元がぐらついている。逆風が吹き付ける中、県選出の党幹部は対応に苦慮している。
「党として信用してもらえる説明責任を果たす。それができなければ党への影響は非常に大きい」。3日に国会内で開かれた所属衆参議員の会合後、浅尾慶一郎幹事長(衆院4区)はこう述べ、危機感を持って臨む考えを表明した。
中西健治氏(参院神奈川選挙区)は「議員一人一人の意見を聞いて代表に届けてほしい」。松沢成文氏(同)は代表の進退に関し「意見はあるが、言えない」と、言葉少な。国会質問で歯切れ良く政権の姿勢をただすいつもの両氏の姿はうかがえず、党内に重い空気が立ち込めている現状を物語る。
1年後に統一地方選を控える県内地方議員の不安はより切実だ。昨年12月の党分裂で、県議会や横浜市会などの勢力は減退。3月の逗子市議選では1議席確保にとどまるなど、党勢低迷から抜け出せない。
県総支部は3月31日、代表自身が借入金の使途を早急に説明することを求める要請書を提出。県総支部幹事長の塩坂源一郎県議は「ほかの都道府県の地方議員も同じ思いだと思う。体調不良の説明はいつまでも通じない。代表はメディアに積極的に出て、説明を尽くしてほしい」と明かす。
党内では代表の続投に理解を示す声がある一方、「いったん辞めるべきだ」(江口克彦参院議員)、「当面は代表代行を置くか、ただちに代表選をやるか来週にも方針を決めるべきだ」(若手議員)といった意見が出た。
代表の資金疑惑という非常事態。党の要である浅尾氏は、党内の結束保持に腐心する。地方議員の声には「最前線で戦う仲間に大変な心配を掛けている。党幹事長としておわびしたい」。1日の会見では江口氏の発言を念頭に「外向けに言う前に党内で議論すべきだ」と、遠心力が働きかねない状況にくぎを刺した。ただ、3日の会合後にはこうも言った。「党幹事長として党を支える。それが渡辺代表を支えることだと思っているが、(代表が)説明責任を果たすことが当然の前提条件だ」