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2026.07.09|コメント(-)トラックバック(-)

「ウルトラセブン」に込めた音楽の物語 作曲家・冬木透さんの世界がアルバムに


 特撮テレビ番組「ウルトラセブン」(昭和41~42年放送)にまつわるクラシック音楽を集めたアルバム「ウルトラセブン・クラシック」(キングレコード、2500円)がリリースされた。「ウルトラシリーズ」の楽曲、選曲を数多く手掛けてきた作曲家の冬木透さん(78)が「セブン」で表現した豊かな音楽世界を再確認できる。(三品貴志)

 ◆円谷一さんの注文

 ホルンとトロンボーンによる勇壮なイントロで始まる主題歌をはじめ、「セブン」の楽曲は管弦楽や室内楽的な編成が多い。1~5曲目の「交響詩『ウルトラセブン』」は、冬木さんが劇中曲をまとめた管弦楽組曲で、昭和53年の東京交響楽団演奏。怪獣の出現からウルトラ警備隊の出動、セブンの危機…といったドラマが壮大に浮かび上がる。

 冬木さんは作曲当時、監督の一人を務めた円谷一(つぶらや・はじめ)さんから「子供の耳を悪くしないものを」と注文を受けた。「一さんは、音程の悪い歌がお茶の間に流れることを心配していたのだと思う。自分もクラシックを前提に、古典的な規範を踏み外さないようスコアを書きました」と振り返る。

 ◆最後のシューマン

 劇中曲はほぼ冬木さんの作曲だが、主人公のダンがヒロインのアンヌ隊員に秘密を打ち明ける最終回のクライマックスでは、シューマンの「ピアノ協奏曲」を採用した。2人がシルエットで映し出され、張り詰めたピアノの音色が鳴り響くシーンは多くの視聴者の目をくぎ付けにした。

 冬木さんは「私の曲でシーンに合うものがなく、さんざん考えて浮かんだのがあの曲でした。瞬間的なショックがあり、その後に情感が出てくる。特にリパッティ(ルーマニアのピアニスト)の演奏には切実感がありました」と明かす。

 アルバムには劇中で使われたリパッティ版に加え、ピアニストの異なる演奏も収録。最終回の監督を務めた満田かずほさんが想定していたグリーグの「ピアノ協奏曲」も収められており、聞き比べて作品の“舞台裏”を探るのも楽しい。

 冬木さんは「帰ってきたウルトラマン」で、「ワンダバダ…」と繰り返す男声コーラスが印象的な防衛隊のテーマを作曲。以降、ウルトラシリーズをはじめとする特撮などで、こうした曲想は「ワンダバ」と呼ばれ、定着した。

 ◆ワーグナーの衝撃

 時に勇ましく、時に悲壮な冬木さんの音楽世界を形作ったのは、幼少期から親しんできたクラシック体験にあるようだ。なかでも父が所有していたワーグナー「ワルキューレ」のレコードを初めて聞いたときは、衝撃を受けたという。

 「父にラストシーンを『魔の炎の音楽だ』と教えられても、当時はピンと来なかった。でも、空想をたくましくして聞いているうちにひきこまれていく。音楽も、想像力を使って聞く『物語』なんです」

 冬木さんの音楽にも「物語性」が込められているからこそ、今も根強いファンに愛されているのだろう。

 「『セブン』の演奏会に来てくださる方は、40、50歳になっても昔と同じですね。オケを振っていても、背中に熱気を感じる。ありがたいですね。責任は負えませんけれども…」と穏やかに笑った。

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2014.03.13|コメント(-)トラックバック(-)
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