
大阪市選挙管理委員会は23日夜、大阪市長選の無効票のうち、4万5098票が何も書かれていない白票だったと明らかにした。
橋下徹氏以外の3候補の得票数は計5万3895票で、白票が投票総数49万8873票の1割弱を占めた。
■運行再開へプッシュ
全面運休が続いている甲賀市の第三セクター鉄道「信楽高原鉄道」の運行再開に向け、各駅を支援する沿線住民のグループが22日、発足した。メンバーらは手始めに「駅を花で飾ろう」と、雲井駅(同市信楽町牧)にサクラやツツジ、アジサイを植えた。
誕生したグループは「雲井の駅を守る会」。同鉄道全6駅のうち、両端の2駅を除く4駅が市立雲井小学校区内にあることから、同学区自治振興会が呼びかけ、住民や民生委員、老人クラブなどで結成された。
雲井駅での植樹には、小学生からお年寄りまで幅広い年齢層の住民が参加。同鉄道や甲賀市、JR西日本などの職員も加わった。参加者たちはスコップを使って、線路脇の花壇にサクラやツツジ、アジサイの若木約450本を植え付けた。花壇は、不要になった線路の枕木が使われている。
作業後、殺風景だった駅舎の周辺に色鮮やかな緑が加わり、雰囲気づくりに一役買っている。運行再開後の春には花が咲き、乗降客を華やかにもてなす。
里見一男会長(74)は「たくさんの人が集まってくれたことから、運行再開への住民の強い熱意を感じる。地域の“足”を自分たちの手で守っていけるよう活動を続けたい」と力を込めた。会では今後も植樹をおこなうほか、以前から住民らが手がけてきた駅舎の清掃活動を会として受け継いでいく。
同鉄道社長の正木仙治郎副市長は「地域の応援を糧に、今年12月の運行再開に向けて頑張りたい」と話していた。
米政府が今月4日に示した安全保障戦略の指針「4年ごとの国防戦略見直し(QDR)」で、アジア重視戦略を堅持する姿勢が示された。軍事的台頭を続ける中国をけん制していく狙いで、神奈川の米軍基地を含む太平洋方面の拠点も、相対的に重要性を増すことになりそうだ。ただ巨額の財政赤字を背景に、戦力の質や配備先にメリハリをつける傾向も加速している。2期目のオバマ政権下では、米国は中国との融和路線に向かうとの見方もあり、安倍晋三首相が集団的自衛権の行使容認を目指す日本の防衛政策にも影響を与えそうだ。
米カリフォルニア州・サンディエゴを母港とする原子力空母ロナルド・レーガンの艦内には、名の由来となった故レーガン元大統領の像が飾ってある。
レーガンは来年にも、現在横須賀に配備されているジョージ・ワシントン(GW)と交代することになっている。「前方展開戦力に加わるのは光栄だ。日本との協力の伝統をGWから引き継ぎたい」。艦長のクリス・ボルト大佐が、日本配備への意欲を示す。GWの乗員の一部はレーガンに乗り換え、横須賀にとどまることになりそうだ。
新鋭装備を太平洋方面に優先配備する動きも続いてはいる。QDRでは中国に関し、「接近阻止・領域拒否(A2AD)」戦略で米国の軍事力への対抗を追求していると指摘。2020年までに海軍戦力の60%を太平洋に配置する方針をあらためて強調し、「日本での重要な海軍のプレゼンスの強化」と、踏み込んだ記述も盛り込んだ。第7艦隊と関係の深い海上自衛隊の協力への期待がにじむ。
だが、米国防予算の制約は今後も続くとみられる。
空母の11隻態勢は維持する方針だが、レーガンと交代して本国に戻るGWの今後には不透明感が漂う。予算の制約を背景に、予定される大規模修繕を施さず、そのまま退役させる構想があるためだ。「予算の強制削減が来年も続けば退役は不可避」。ヘーゲル国防長官は2月の予算方針説明会見で懸念をみせた。
海軍は高速航行のできる新鋭の沿海域戦闘艦(LSC)を18年にも佐世保に配備する方針だが、今回の予算ではLSC全体の調達計画は当初の52隻から32隻に大きく減った。空軍は旧型機を退役させ、浮いた費用を近代化に充てる。陸軍は兵力を第2次大戦以後の最小規模にまで減らす。
森本敏前防衛相は「アメリカがアメリカに回帰する時代が来ている」とみる。QDRでは、日本、韓国、オーストラリアなど同盟国との関係強化こそが、オバマ大統領が掲げるアジア重視戦略「リバランス(バランス調整)」の中心的取り組みであると指摘。同盟国の役割を拡大し、相対的に米国の負担を減らしていく考えをにじませている。
安倍首相の主導で集団的自衛権行使容認への取り組みを進める日本は、年内改定を目指している日米防衛協力指針(ガイドライン)の改定作業などを通じ、一層の役割拡大を求められる可能性もある。将来、米軍の存在感が弱まる事態を補える協力関係の構築を迫られることになりそうだ。
◆4年ごとの国防戦略見直し(QDR) 米国防長官が4年に1度行う国防計画の見直し。基本戦略から兵力、装備体系、予算計画の指針を今後20年の長期的視点から検討し、議会に報告する。今回で通算5回目(オバマ政権では2回目)。日本の安全保障政策にも大きく影響する。2010年の前回報告では、二つの大規模紛争に同時対処する「二正面作戦」を中心とした組織や装備調達を全面的に見直す方針を示した。
「米中融和」向き合え、拓殖大教授・川上高司氏
国防予算の削減圧力の下で、今回のQDRは新しい技術への投資を決断した。その半面、「リバランス(バランス調整)」と言いつつも米軍の前方展開戦力は今後、削減されていく。米国は「世界の警察官」の座を降りたと断言できる。
そのQDRのキーワードは、「共有の利害」(シェアード・インタレスト)。透けてくるのは、相当な中国寄りの姿勢だ。ライス大統領補佐官(国家安全保障担当)も昨年の講演で、中国について「利害が一致する問題では協力関係を深める」と述べており、軽視すべきではない。2期目のオバマ政権は米国経済の復活を念頭に国防予算の削減を迫られる結果、戦争ができず、中国に対しては融和路線を取るだろう。
第2期オバマ政権の外交政策はニクソン外交以来の転換になるかもしれない。日本は同政権の残り3年間で「米中融和時代の日米同盟」という厳しい状況に向き合わなければならない。
ただ、米国が太平洋を守ろうとする姿勢に変わりはない。中国のA2ADに対応するため、日本を考慮に入れてもいる。日本による集団的自衛権の行使容認は織り込み済みではないか。
日本は淡々と防衛力の整備を進め、米国の対中戦略を補うことが求められる。一方で中国とも信頼醸成を深め、尖閣問題が紛争を起こさせないようにし、韓国とも将来志向で北朝鮮の脅威に対処することが喫緊の課題だ。前線の在日米軍は、自衛隊との基地共同使用やオスプレイの訓練移転、艦船の寄港などで機能が重要となってくるだろう。(談)