
カメレオン俳優として有名なジョニー・デップは、過去に『チャーリーとチョコレート工場』(05)でマイケル・ジャクソンを彷彿とさせるウィリー・ウォンカを演じ、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズではキース・リチャーズをモデルにジャック・スパロウ船長を演じた。そんな彼が、新作『Black Mass(原題)』ではまるでジャック・ニコルソンのような風貌になって撮影に参加しており、写真を見たファンたちに衝撃を与えている。
【写真を見る】新作でジョニデはジャックのような風貌に!
同作は、実在したマフィア界の大物、ホワイティ・バルガーの伝記映画で、主演のデップはボストンを牛耳ったマフィアのボス、ホワイティその人を演じている。19人を殺害した容疑で指名手配されるが16年も逃亡を続け、11年6月に逮捕されたホワイティの実話は、映画『ディパーテッド』(06)の下敷きになったことでも有名だ。そんな同作でホワイティをモデルにした役を演じていたのがほかならぬジャック・ニコルソンだった。
そのため、今回の映画ではジャックをモデルにすると決めたのか、それとも頭髪が薄くなったマフィアの扮装をしていたらニコルソン似になってしまったのかは不明だが、英紙デイリー・メイルが掲載している黒いサングラス姿でロケ地をあとにするジョニーの写真にはかなりの破壊力がある。
「ここまで本人に見えないと気持ちが悪い。ボストンの人々からのメッセージを読んだら、ジョニーは車の窓を開けて道行く人々に手を振っていたらしいけど、誰も気づかなかったらしい」「この映画で彼がオスカーを獲ることを祈っている。その価値はある」「いままでもいろんな扮装をしたけど、これが一番すごい」「ジャック・ニコルソンの物真似をしているジョニー・デップに見える」などの読者コメントが同紙のサイトには寄せられている。【UK在住/ブレイディみかこ】
父の日は6月15日。世の中のお父さんを応援するかのごとく、映画業界でも40代、50代のハリウッドスターが、「若い者には負けん!」と身体を張ってアクションをこなす「親父アクション映画」が、父の日を挟んで劇場公開される。
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父の日の前の週末、6月7日公開の『トカレフ』では、50歳を迎えたニコラス・ケイジが主演を務める。本作は、ソビエト製の拳銃、「トカレフ(TT-33)」によって何者かに娘を殺害された父親の復讐劇を描いたサスペンスアクション。全編を通してアクションシーンが満載で、主人公は犯人を捜すために死体の山を築いていく。ケイジはガンアクションだけでなく、ナイフを使ったバトルアクションやカーチェイスにも挑戦した。
『トカレフ』と同日公開の『ハミングバード』は、ジェイソン・ステイサムが元特殊部隊の男を演じ、復讐の鬼となるクライムアクション。ステイサムももう46歳、アクション俳優としての安心感を感じる人もいるだろう。
父の日を過ぎて6月21日公開の『ラストミッション』は、ケビン・コスナーが余命宣告を受けたエージェントを演じ、最後の任務に立ち上がるサスペンスアクションだ。59歳を迎えるコスナーもカーチェイスに挑む。煽り文句は「弱点、16歳の娘」。次の週、6月28日公開の『オールド・ボーイ』では、46歳のジョシュ・ブローリンが、20年間監禁された後に解放され、トンカチを武器に復讐する様を演じる。
6月は親父アクションスター達からパワーをもらえる?
『ミリオンダラー・ベイビー』、『クラッシュ』のポール・ハギスが、豪華キャストを迎えて贈る極上の愛のミステリー『サード・パーソン』。本作は、NY、ローマ、パリを舞台に3組の男女が織り成す、愛と信頼、そして裏切りの物語だ。
【写真】エイドリアン・ブロディのラブシーン
今回注目したいのは、2002年『戦場のピアニスト』で、アカデミー賞「主演男優賞」に史上最年少で輝いた実力派エイドリアン・ブロディ。シリアスな演技で絶賛された彼だが、そのときの授賞式では舞い上がる気持ちを抑えきれず、プレゼンターのハル・ベリーにアツーいキスをするなど情熱的な一面も。その後もキャリアは順調。個性派俳優としてウディ・アレン、ピーター・ジャクソン、ウェス・アンダーソンら名立たる有名監督の作品に立て続けに出演し、作品ごとにまったく違った顔を見せている。
本作でエイドリアン演じるのは、出張でローマに訪れたアメリカ人ビジネスマンのスコット。高級デザイナーズスーツに身を包み、“デキる男”風にニヒルな笑顔を浮かべているが、実はそれはうわべだけの姿。イタリアのファッションブランドからデザイン画を盗むことが仕事で、着ているスーツもただのコピー商品なのだ。
イタリアのすべてを嫌悪し、早く帰国したがっている彼の目に入ったのは、“バー・アメリカーノ”の看板の文字。故郷アメリカのビールやハンバーガーを期待して店内に入るが、店員は英語を話せず、出されたのもぬるいビールという始末。しかし、そこに美しいロマ族の女性モニカ(モラン・アティアス)が現れ、一瞬にして目を奪われる。お互いの子どもの話で打ち解け、モニカが娘との再会を楽しみにしていることを知るが、彼女は1本の電話を受けて慌てて店を出て行ってしまった。スコットは彼女がバッグを忘れていったことに気づき追いかけるが、もうその姿はなかった。仕方なくバッグをバーに預けてホテルに戻るスコット。
その後、モニカはバッグを受け取るが、そこに入っていたはずの金が消えていた。スコットは、それが密輸業者から娘を取り戻す金だったと聞き、彼女を助けたい衝動に駆られる。スコットはお金を用立て、モニカとともに治安の悪い危険地帯へと出発するが――。
今回公開されたのは、そんなスコットとモニカのロマンティックなラブシーン。一瞬で心引かれ、彼女の助けになりたいと思うスコットと、自分に近づいてくる男性を信用できないモニカ。行動を共にするうちに恋愛感情が生まれつつあったが、お互いに一歩踏み出せない。お金も寝る場所もないモニカを放っておけないスコットは、自分の宿泊するホテルに呼ぶ。ホテル側はロマ族のモニカの宿泊を拒否するが、スコットは「彼女は僕の妻だ」と言い放って黙らせた。最初はソファーで寝ようとするスコットだが、結局はモニカの足側に頭を預けてベッドで横になる。
「あなたは泥棒?」「いや、ビジネスマンさ」「初めて呼ばれたわ、“妻”って」とオトナの会話を楽しむ2人。そのうち会話が途切れ、お互いの感情を確かめるかのように、スコットはモニカに足に触れ、身も心も距離を縮めていく…。
「ずっとポール・ハギスと仕事がしたかった」と話すエイドリアン。「彼には、僕が監督に求める知的で芸術的な繊細さがある。彼は経験も豊富だし、頭もよく、才能豊かな人だ。そんな彼の作品に出演できて嬉しい。僕は常に、心に語りかけてくる作品を探し求めていた。簡単に出合えるわけじゃないんだ。この作品では、俳優としてだけでなく、人間としても多くを学ぶことができた」と、ハギス監督を絶賛した。
さらにモニカ役のモランは、2人のキャラクターを分析する。「モニカにとってスコットは、これまでの人生で出会ったどの男性とも違う。彼は彼女がずっと避けてきた問いを、遠慮なく投げかけてくるの。彼女には男性を信用しない理由があるし、スコットにはモニカと彼女の娘を助けずにはいられない秘密と理由がある。誰かを信頼するには、自分をさらけ出して、自分を守るために作った壁を取り払わなくてはいけないわ。モニカにとっては、肉体的に裸になるほうが簡単。心を開くことは挑戦なのよ」。
果たしてスコットは、本当にモニカの傷ついた心を溶かすことができたのか。モニカの正体とは? 超セクシーなエイドリアンのラブシーンを含め、人間の本質をえぐるハギスの最高傑作を劇場で堪能してほしい。
『サード・パーソン』は6月20日(金)よりTOHOシネマズ日本橋ほか全国にて公開。