
ルクセンブルグの欧州連合(EU)司法裁判所が個人の「忘れられる権利」を2週間前に認めたことを受けて、米グーグルは30日、欧州でユーザーからのリクエストを受けるためのウェブ上の専門フォームを利用できるようにした。
フォーム開設以来数時間で、自身の氏名にリンクする検索結果の削除を求める欧州における個人のリクエスト件数は1万2000件を超えた、と事情に詳しい関係者は述べ、リクエストのペースは1分当たり20件にのぼると付け加えた。
裁判所の判断以来、フォームが立ち上げられるまでの削除要請件数は「数千の前半」にとどまっていた。
削除要請の殺到は、欧州でインターネットから自身のコンテンツを除去する需要が極めて多いことを示す例となった。観測筋は、これは裁判所の判断の有効性をめぐる重要なカギになると見ていた。
業界団体の英国工学技術協会(IET)は「EUの判断とこれを受けたグーグルの『忘れられる権利』フォームの立ち上げは困難に満ちたもので、導入は不可能」と述べていた。
判断の一部として、EU司法裁判所は、個人はグーグルや他の検索サービスに対し、もはや関連性に乏しく、あるいはプライバシーの侵害にあたると自身が判断した個人情報へのリンクの削除を要請できると述べた。ただグーグルに対しては、プライバシー保護に関わる権利と一般的な知る権利との均衡を図るべきとしたが、具体的な指示はほとんど行っていない。
グーグルに近い関係者は、裁判所の判断の実行可能性や各要請に関して判断を下すためにグーグルが採用しなくてはならない人数は、受け取るリクエスト件数次第になると述べていた。
ヤフーは30日、グーグルと同様に、「欧州のヤフー利用者にとって重要なプライバシー保護と表現の自由の権利の均衡につながると思われる解決策を考えているところだ」と述べた。
By Sam Schechner
東京都多摩市は、市民が個々の家庭でエアコンを使わず、街に出て商店や公共施設などで涼しく過ごす「クールシェア事業」を拡大するため、来店者が協賛店で特典サービスを受けられる「クールシェアパスポート券」を6月中に市内全戸に配布する。電力需要がピークとなる夏に向けた節電対策が今年も動き出した。
パスポート券には特典サービスの内容と市内48店の提供店名などが記載されるため、協賛店はコストをかけずに集客効果が期待できる。同市によると、クールシェア事業でこうした“優待券”を配布するのは都内で初めて、という。
夏場の家庭の電力消費の半分以上を占めるとされるエアコンの使用を抑制するため、同市は昨夏もクールシェア事業を展開し、23協賛店と18公共施設が参加した。公共施設に関しては今夏も18施設を予定しているが、協賛店は約2倍に増やして節電を促す。
協賛店は室内温度を原則28℃になるよう空調を設定。パスポート券の表紙を携帯電話やスマートフォン(高機能携帯電話)などの画面に表示した来店者にも特典サービスを提供する。
環境部環境政策課 (電)042・338・6831
【サンフランシスコ】英陸上選手のロジャー・バニスターが1マイル(1600メートル)走で4分を切る世界新記録を樹立してから60年目となる今年、「ビースト(野獣)」の異名を持つ米国のジェームズ・ニールセンさん(34)は先月、1マイル走で別の世界記録を塗り替えた。ビールを飲みながら走る「ビアマイル」で初めて5分を切ったのだ。
1980年代後半に大学のキャンパスで始まったこのビアマイルは知る人ぞ知るイベントとして広まっていった。このレースはビールを1缶飲んでトラックを1周走り、それをあと3回繰り返してゴールした時間を競うもので、これまでにプロのアスリートを含む大勢の人が記録に挑戦してきた。
ニールセンさんの世界記録は4分57秒。動画共有サイト「YouTube」に投稿されたニールセンさんの偉業の再生回数は100万回を超えている。また、今年は初の世界大会が予定されている。大学時代は陸上選手で、現在はセールス担当の重役というニールセンさんはアパレル企業とビール会社から支援の申し出を受けたという。
だが、突然の名声はただでは済まなかった。記録を打ち立てたニールセンさんの映像を詳しく調べたビアマイル愛好家たちから疑惑が浮上しているのだ。ニールセンさんが飲んだ4つのビール缶の炭酸がどうにかして抜かれていたのではないか、また最初のビール缶を飲んだときに、通常皆がしているように、どうして頭の上で缶を逆さまにして飲みきったことを証明して見せなかったのか、などという疑いだ。
ビアマイルを「創設」した1人のジョン・マーケルさん(40)は「(ニールセンさんは)最初のビール缶を飲み干したことを証明して見せなかった」と認めながらも、「だが、彼は超マニアだ。すべて規則通りにやったと思う。ズルはしていない」と話す。
ビアマイル愛好家は規則好きだ。このスポーツのルールやタイムは公式サイト「Beermile.com」に掲載されている。途中で嘔吐した場合はもう1周走らなければならないというルールもある。大勢のビアマイル挑戦者が送ってくる競技記録を精査し、タイムをサイトに掲載するのはボランティアたちだ。
ニールセンさんは少なくとも100回は規則を読んだとし、頭の上で缶をひっくり返して見せることは「強く推奨されている」ものの、公式ルールの10項目には含まれていないと述べた。
この問題に決着をつけるため、ビアマイル愛好家たちは今年、初の世界大会を開こうとしている。この世界大会でニールセンさんと、カナダのジム・フィンレイソンさん(5分09秒、2007年)や、オーストラリアのジョシュ・ハリスさん(5分02秒、2012年)といった過去の記録保持者らとの対決が見られればと期待している。
カナダのマラソン大会で優勝したこともあるフィンレイソンさんは出場するかどうかわからないと話す。「今年は42歳になるし、正直いってやる気が出ない」と言った後、すぐに「今でも速く飲めるけど」と続けた。
カリフォルニア大学サンフランシスコ校でヒューマン・パフォーマンス・センターの責任者を務めるスポーツ医療専門家のアンソニー・ルーク氏によると、ビアマイルは「吐き気や嘔吐をもよおす高いリスク」があるとして、医学的には勧められないと話す。
By ZUSHA ELINSON