
横浜市港南区の60代の無職女性が28日、機転と名演技で「だまされたふり作戦」を完遂し、港南署による容疑者逮捕に協力した。
同署によると、同日正午ごろ、女性宅に「病院に小切手を忘れた。金が必要。上司の部下が取りに行く」などと電話があった。だが男が名乗ったのは、自身の夫の名。詐欺と気付いた女性は「夫の母親」を装って演技を続け、男とその上司を名乗る男と10度以上、電話でやりとりした。
女性から通報を受けた署員が張り込んだが、連絡が途切れたため一度は引き揚げた。再び電話があると、女性は当時不在だった家族に呼ばれたふりをして「一回電話切るね」などと時間を稼ぎ、その間に110番通報。さらに公園で現金の引き渡しを迫る男に対し「一筆欲しい」と機転を利かせて自宅に呼び込み、逮捕をお膳立てした。
詐欺未遂の疑いで現行犯逮捕されたのは、千葉市の無職男(33)。同署の調べに対し、「指示されて来ただけ」と容疑を否認している。
最初の電話から逮捕まで約7時間の長丁場。振り込め詐欺は電話を繰り返してパニック状態にし判断能力を鈍らせるのが手口だが、署員は「今回は終始女性のペースだった」と話した。