自民、公明の与党税制協議会は9日、生活必需品の消費税率を低く抑える軽減税率制度に関する業界団体の意見聴取を前日に続き実施した。この日の会合では食料品の生産と卸、流通にかかわる9団体のうち7団体が消費の落ち込みへの懸念から導入に賛成し、反対が相次いだ前日の会合とは様相が一変した。今後の意見聴取でも賛否は分かれる見通しで、政府・与党は難しい判断を迫られそうだ。
軽減税率の導入を求めたのは全国農業協同組合中央会(JA全中)や全国漁業協同組合連合会(全漁連)などで、全漁連の古関和則専務理事は意見聴取後、記者団に「水産物の消費は低迷しており、軽減措置の導入が望ましい」と述べ、強い期待感を示した。
ただ、酒類業中央団体連絡協議会は「零細店の事務負担が増える」として酒類への適用に反対を表明。食品産業センターは「さらに情報が必要」として見解を明らかにしなかった。
4月に8%となった消費税率は2015年10月に10%への引き上げが予定され、軽減税率は「10%時」に導入することが決まっている。与党は対象品目として飲食料品を優先して検討する方針を打ち出しており、6月に8通りの分類案を示した。
この日の会合では、消費者が混乱しないように全飲食料品への適用を望む声が多かった。納税事務に関しては零細企業への配慮が必要との意見が大勢を占めた。
意見聴取は8月下旬にかけて計46団体を対象に実施し、与党税制協議会は9月ごろに論点を整理する。