
肥満は世界的にまん延している。2013年の時点で世界人口の約29%に当たる21億人が過体重か肥満であり、肥満人口の3分の2弱は途上国に住んでいることが、29日発表された調査報告で明らかになった。
米ワシントン大学の保健指標評価研究所(IHME)の研究者が中心になって行った調査によると、過体重や肥満は1980~2013年の間に成人で27.5%、子供で47.1%、それぞれ増加した。80年に過体重や肥満だったのは8億5700万人だった。調査の結果は医学誌ランセットに掲載された。
この増加は「大きくかつ広範であり、短期間のうちにみられた」という。研究者らは183カ国の人々の身長や体重などのデータを分析。現在は世界の男性の36.9%、女性の38%が過体重か肥満だと指摘した。
IHMEのディレクター、クリストファー・マレー氏は、調査対象期間に大幅減少を報告した国は1つもなかったとしている。同所長は「この期間に統計学的に有意に減少した国がなかったという事実は驚きだ」とし、このことは肥満対策の効果がまだないことを示していると話した。
肥満は一般に繁栄の病気と考えられている。実際、昨年その比率が最も高かったのは米国で、世界全体の13%を占めた。また、肥満の割合は先進国で最も高かった。
しかし、マレー氏によると、80年には北米と欧州が突出していたが、06年以降は成人の肥満拡大ペースが鈍化していることから、現在は「他の地域の比率が劇的に拡大している」という。同氏は極端なケースとして、女性の42%が肥満だという南アフリカを挙げた。このことは、栄養失調やエイズ禍と闘っている南アが過体重に関連した慢性的症状とも取り組んでいることを意味している。
世界の肥満人口6億7100万人の50%以上は10カ国に住んでいる。順位は米国、中国、インド、ロシア、ブラジル、メキシコ、エジプト、ドイツ、パキスタン、そしてインドネシアだ。トンガでは男性の52.4%が肥満だ。また同国、サモア、ミクロネシア連邦などでは女性の50%以上が肥満になっている。
13年には、先進国の男児の23.8%、女児の22.6%が過体重か肥満だった。途上国でのこの比率はそれぞれ12.9%、13.4%。中東と北アフリカでの割合が特に高いという。
肥満の増加を25年までに食い止めるという世界保健機関(WHO)の目標について報告は「非常に野心的で、足並みのそろった行動と一段の研究がなければ達成は難しい」としている。
マレー氏は「肥満は最大の健康リスクの1つで、最大のリスクの中で唯一増えていることから、私はこれが比類のない懸念要因だとみている」と述べた。最大のリスクにはこのほか、喫煙、飲酒、高血圧があるという。
同氏は今回の調査について、長期間にわたって国ごとの肥満データを調べており、世界の肥満傾向に関するこれまでの調査で最も包括的だとの見方を示した。
By BETSY MCKAY