
ナイジェリアは今年4月、統計方式を見直し2013年の国内総生産(GDP)を再計算した結果、従来方式の約2倍となる約5090億ドル(約51兆8千億円)に達し、アフリカ最大になったと発表した。成長の原動力となっているのがキリスト教徒中心の南部に集中する石油資源だが、イスラム過激派組織「ボコ・ハラム」が拠点とする北部との深刻な経済格差も生んでいる。
ナイジェリアの油田は南部のニジェール川デルタやギニア湾に集中しており、原油生産量は日量215万バレル(2010年推定)と石油輸出国機構(OPEC)加盟国でも有数の規模。米欧やアジア各国からの直接投資も増加を続けており、近い将来、経済規模で世界のトップ20に入ると予想されている。
しかし、同国では過去の軍事政権時代の非効率な経済運営もあって水道や電力など生活インフラの整備が進んでいない上、当局者や政府高官の腐敗が進み、国民の約7割が貧困状態にあるとされる。
特に深刻なのは人口の約半数を占めるイスラム教徒が集中して住む北部地域で、キリスト教徒中心で富裕層が多い南部への不満は強い。
シャリーア(イスラム法)の統治によるイスラム国家建設を目指すボコ・ハラムは、今回の拉致事件で連れ去った非イスラム教徒の女子生徒に改宗を強要しているなどとされるが、そうした行為が宗教間の反目をいっそう強めることになる可能性は高い。
同国ではこのほかにも近年、ボコ・ハラムから派生した武装組織「ブラック・アフリカのイスラム教徒の擁護者」(通称アンサル)などによる石油関連産業へのテロや外国人誘拐事件も頻発している。(大内清)