
4月の消費税率引き上げまで1週間あまり。増税前の駆け込み商戦がヤマ場を迎える中、大手百貨店各社は増税後の消費の落ち込みをにらんで、早くも駆け込みの反動減対策に乗り出している。買い物への特典付与、売り場や催事の工夫などで購買意欲を喚起し、4月以降の客足の落ち込みを食い止めたい考えだ。
◆食品を核に
高島屋の各店では、5千円以上の買い物客を対象に4月中に使える1千円分のクーポンを25日まで配布している。割引特典で足元の駆け込み需要を取り込む一方、顧客に4月の再来店を促す一挙両得を狙った戦略だ。
一方、松屋銀座本店(東京都中央区)は増税に合わせて24年ぶりに地下の食品売り場を大幅改装し、限定の和洋菓子や生産方法にこだわった農産物などを充実させる。古屋毅彦本店長は「増税直後は厳しい消費環境になるが、ある程度の時間がたてば贈り物やハレの日の出費は惜しまない」と消費者心理を読む。ゴールデンウイーク直前の4月25日に改装を終える予定。
買いだめが難しく、幅広い層が利用する食品は他社も反動減対策の核に位置づける。西武池袋本店(同豊島区)は4月1日からカード会員に、食品の購入額に応じたポイント付与を始める。小田急百貨店新宿店(同新宿区)は例年3月に行っていた四国の物産展を4月2日から開催。毎年4月に開く福岡県の物産展と合わせ集客の柱に据える。
◆外国人照準
増税の影響がない訪日外国人に照準を合わせるのは大丸松坂屋百貨店。各店で訪日客に折り鶴をプレゼントするほか、大丸東京店(同千代田区)では、4月1日から切り子のグラスなど訪日客に人気の商品を並べたコーナーを設ける。
日本百貨店協会によると前回増税の平成9年、全国百貨店の既存店売上高は駆け込み需要で3月が前年同月比23%増となった一方、4月は14%減、5月も5・1%減と落ち込んだ。今回は「賃上げの動きもある。反動減が長引くことはないのでは」(同協会)との見方だが、前回の教訓があるだけに各社とも反動減対策に余念がない。