
北朝鮮が全ての日本人拉致被害者と拉致の疑いを排除できない特定失踪者の再調査を開始することを受け、東北の特定失踪者の家族からは全面解決を期待する声が上がった。
秋田市の看護学校の寮から昭和35年2月に行方不明になった青森県八戸市出身の木村かほるさん=当時(21)=は、大韓航空機爆破事件の実行犯、金賢姫元工作員が「北朝鮮で日本語を習った先生によく似ている」と証言するなど消息につながる情報がある。
木村さんの姉で同市在住の天内(あまない)みどりさん(81)は「妹は北朝鮮で生きていると信じている。誠実に調査して帰国させてほしい」と話した。
48年1月に日本海側の秋田県峰浜村(現・八峰町)の実家を出たまま行方が分からない薩摩勝博さん=当時(23)=の妹で仙台市太白区に住む品川貴美子さん(59)は、拉致被害者の救出に取り組む「救う会秋田」関係者を通じて「ああいう国のことなのでどうなるか分からないが、進展を期待している」とコメントした。
平成4年1月には秋田県合川町(現・北秋田市)の松橋恵美子さん=当時(26)=が自宅を出たまま行方不明になっている。松橋さんの車は同県能代市の海岸で施錠されていない状態で見つかり、財布や化粧道具、防寒着などが残されていた。
母のチヤさん(72)は「生きている間に娘に会いたい。政府は北朝鮮にだまされないように交渉してほしい。被害者を助けるまでは制裁を解除しないでもらいたい」と語った。
救う会秋田の松村譲裕代表は「北朝鮮は拉致した日本人のことを全て把握しているのに、再調査とはしらじらしい。北が調べるのは日本の出方であり、一人残らず返さない限り許さないぞという態度を示さなければならない」と話した。