
■「仮面ライダー鎧武」
テレビ朝日、日曜午前8時
ヒーローは成長する。昨年10月に始まった特撮ドラマシリーズの新作も物語中盤。序盤はどこか頼りなくも見えた主人公の表情が、回を重ねるごとにたくましくなってきた。
「最初はライダーの力をアルバイトに使うといったコミカルなシーンもありましたが、徐々にシリアスになってきた。戦う相手や守るべきものが見えてきて、迷い、立ち向かう主人公たちを見守ってもらえたら」
演じるのは主人公、葛葉紘汰。迷い込んだ謎の森でベルト「戦極(せんごく)ドライバー」と錠前「ロックシード」を手に入れ、怪物やライバルライダーと戦う「仮面ライダー鎧武(ガイム)」に変身する。空からオレンジなどの果実が落ち、頭に覆いかぶさる変身シーンは衝撃的だ。「初めは現場で『あの辺から落ちてくる』といわれても、さっぱり想像できなかった。でも、最近は(CGで表現される果実が)見えるようになりました」と笑う。
サッカーなどで培った抜群の運動神経を生かし、激しいアクションシーンに積極的に挑戦。一方、「複雑な感情を体の芯から表現するのは難しい」と語り、演技の面白さとも格闘中だ。紘汰は当初、ライダーとしてダンスチーム同士の抗争解決に奮闘するが、次第に「力」の裏に隠された計画や、世界の秘密を知る。
仲間の裏切り、衝突する野心…脚本の虚淵玄さんによるハードな展開が見どころで、「仮面ライダーはメッセージ性の強いドラマ。最初のころの紘汰って幸せだったんだ、と思ってもらえたら」と期待する。
今月29日には、“元祖”仮面ライダー1号・本郷猛を演じた藤岡弘、さんとの共演映画「平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦」が公開。68歳ながら率先して体を張る大先輩に感銘を受けたといい、藤岡さんから「仮面ライダーは今や世界のヒーロー。世界中の子供たちに向けて頑張って」と激励も受けた。
「歴史の重みを感じるし、その延長線上にいると思うと不思議。こんな俺でも子供たちに勇気や元気を与えられるんだと思うと、すごくありがたいし、やりがいを感じますね」
見た目が今風でも、上からオレンジが降ってきても、ヒーローの熱量は受け継がれている。(三品貴志)
◆さの・がく 平成4年、愛知県出身。23年、第24回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでグランプリ受賞。俳優として24年のテレビドラマ「GTO」(フジテレビ)をはじめ舞台、映画でも活躍。ポップデュオSalleyの新曲「あたしをみつけて」のミュージックビデオに出演している。