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2026.06.21|コメント(-)トラックバック(-)

中国参謀副総長「わが国、他国を武力で威嚇したことない」・・・国際会議で演説


 中国人民解放軍の王冠中参謀副総長は1日、シンガポールで開催第13回アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)で演説し「中国はアジアの平和と安全のためのプラスのエネルギー」、「中国はいかなる国に大使も、武力で威嚇したことは1度もない」などと述べた。

 王参謀副総長は、「今日のアジアはまさに、発展のための肝心な時期だ。アジアは日ましに利益共同体、運命共同体、責任共同体になりつつある。アジアの安定は世界平和のための幸(さち)だ。アジアの振興は世界発展の福だ」などと述べ、中国がアジアの平和と発展を極めて重視していると力説した。

 一方で、「中国は他国の内政に干渉することに反対する。いかなる国家も地域の安全を保つ仕事を独占することを反対する。第三国との軍事同盟を強化することを反対する。武力の行使、あるいは武力による威嚇に反対する。他国の安全を犠牲にして自国の絶対的な安全を追及することに反対する」と述べた。

 王副参謀長の上記発言が、米国との関係強化を進めている日本やフィリピンを念頭に置いたことは明らかだ。

 王副参謀長はさらに、各国が対話と意思疎通を通じて、相互の戦略について信用を高め、猜疑心を減少することが重要と強調。中国の姿勢について「親(親睦)」、「誠(誠意)」、「恵(利益)」、「容(寛容)」にもとづく周辺への外交理念を実行していると主張した。

 中国の方針について「一貫して防御的な国防政策を遂行」、「中国軍は地域の安全維持のために貢献するよう努力している」、「中国はいかなる国に対しても、武力で威嚇したことは1度もない」、「自らが争いを起こしたことはない」と改めて強調。

 さらに、安倍首相が主張する日本の「積極的平和主義」について、「他国が自らの私欲を満たすために『積極的平和主義』などの旗を振りかざして挑発し、騒ぎを起こし、地域を乱すことは受け入れられない」と述べた。

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◆解説◆
 中国人は時として、他者には想像もできないほど強引かつ不可解な主張をする場合がある。この特徴は、1対1の交渉においては、強みを発揮する場合もある。自分の主張に対して相手が到底承服しないと判断すれば、話題を別の方向に動かし、「新たな土俵」で対決するという“技術”を発揮できるからだ。

 中国人は、「どんなに強引な主張をしても、最終的に相手が合意すれば、それは相手の責任」との感覚が強いとされる。例えば商品を売りつける場合「あること、ないこと」を主張しても、主張すること自体は「交渉の過程として認められること」であり、仮に法外な高い値段で売りつけることになったとしても、「相場を知らない相手の知識不足と交渉力不足」の問題であり、「自らに非はない」と考えがちだ。

 「交渉の結果はあくまでも当事者の責任」との考えはたしかに一理あるかもしれないが、中国人は「多数を相手にしての主張」でも、同様に強引な理屈を展開することがある。

 中華人民共和国が成立して以来、中国は領土などの争いでインドに侵攻(1962年)、ソ連と衝突(1969年)、西沙諸島の南ベトナム守備隊を攻撃して駆逐(1974年)などを起こしている。

 また、韓国が北朝鮮に侵攻し、米国なども加担したとの理由で、1950年に発生した朝鮮戦争では中国人民志願軍として78万人の兵力を派遣(同戦争が北朝鮮側の奇襲で始まったのは、ソ連が残し、同国の崩壊後に公開された資料でも明らかになった。中国が動員した兵力については異説あり)。さらに1979年にはベトナムに侵攻。「ベトナムがカンボジアに侵攻し、自国が支援していたポルポト政権を崩壊させた」ことに対する「懲罰」を理由とした。

 王副参謀総長による「中国はいかなる国をも武力で威嚇したことは1度もない」、「自らが争いを起こしたことはない」との発言を、“新中国”が経験したさまざまな戦争に適用すると、「他国に自国領を武力で占拠されていた」、「他国の不当な行為を受け、やむを得ず軍事力を用いた」といった論理にいきつく。つまり、他国とのいさかいはすべて相手側に原因と責任があるとの主張であり、結局は「中国は正しかった。なぜならば中国は一貫して正しいからだ」というトートロジー(同語反復による、論理的には正しいが意味をなさない言明)に帰着することになる。

 現実問題として、アジア地域で中国の「軍事的膨張」を警戒している国は多い。それらの国、あるいは中国とそれらの国との“対立”を見ている国が、王副参謀総長の主張を聞いて「なるほど。たしかにそうだった」と納得するとは、到底思えない。つまり、王副参謀総長の発言は内容真偽の問題以前に、「政治的には効果なし」あるいは「逆効果」ということになる。

 政治、特に国際政治が「きれいごと」だけで対処できないことは、過去の歴史をみるかぎり、認めざるをえない。ということは逆に、自国の利益を守るための「歯の浮くようなきれいごと発言」も、状況や程度によっては必要、あるいはやむをえないということになる。しかし王副参謀総長の上記発言が、中国の国益に結びつくとは思えない。なぜそのような発言をするのか、やはり不可解だ。(編集担当:如月隼人)

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2014.06.02|コメント(-)トラックバック(-)
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