
【ワシントン=青木伸行】米国防総省は5日、中国の軍事行動に関する年次報告書を発表し、中国が東・南シナ海での「潜在的有事」に備え、軍事力と演習を強化しているとの脅威認識を示した。
報告書は「中国人民解放軍は台湾海峡有事、さらに南シナ海、東シナ海での潜在的有事に備えている」と指摘。中国海軍が「沿岸戦闘能力を強化しており、昨年新型コルベット艦(江島型)9隻が就役した」ことや、中国海警局で「2011~15年の計画で、少なくとも30隻の巡視船を追加する」ことを根拠に挙げ、米国の同盟国を含む周辺諸国との間で「摩擦を増加させている」と指摘した。
さらに、昨年10月から11月にかけ、西太平洋の公海上で、東海艦隊など中国海軍の3艦隊が連合で参加する軍事演習を実施するなど、「実際的な戦闘シナリオに基づく訓練」を行っていることも、根拠として例示している。
中国が東シナ海上空に設定した防空識別圏については「防空圏の中国の運用を、米国は受け入れも認めもしない。米軍の行動は変わらない」と改めて強調。昨年9月に「東シナ海で初めて無人偵察機が恐らく運用された」と指摘した。
こうした動きを総括する形で、報告書は「中国軍の能力、戦略決定の透明性の欠如が、地域の懸念を増加させている」と批判した。
一方、開発が難航していた巨浪(JL)2型とみられる推定射程距離約7400キロの潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)が運用段階に入り、年内に晋級原子力潜水艦に搭載される可能性があると指摘。建造中の国産空母は数年以内に運用が可能になると予測した。
潜在的有事