【北京=矢板明夫】20日付の中国各紙によると、四川省カンゼ・チベット族自治州新竜県の治安維持弁公室の張偉副主任(35)が14日、路上で何者かに拳銃で撃たれて死亡した。チベット族とみられる容疑者は逃走した。
張氏はチベット族だが、漢族の名前を使っていた。地元の公安局で長年警察官を務めた。この地域は漢族とチベット族の対立が激しく、当局に協力的な張氏のようなチベット族に対し、同族の中で不満を持つ人が多い。
地元の公安局は計画された殺人事件とみて捜査を進めており、50万元(約850万円)の懸賞金をかけて有力情報の提供を呼びかけている。
当局の少数民族政策や宗教政策に対し不満をもつチベット族による犯行の可能性がある。攻撃的ではないチベット仏教を信仰する地域で警察官が襲われるのは珍しい。