
□国際金融情報センター・加藤隆俊理事長
米ワシントンで10~11日に開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の焦点について加藤隆俊元財務官(国際金融情報センター理事長)に聞いた。
--ウクライナ情勢が世界経済に与える影響は
「ウクライナは今年マイナス成長になる見通しだ。情勢がさらに悪化し、同国がデフォルト(債務不履行)に陥れば、同国向け融資で多額の不良債権を抱えるロシアも打撃を受ける。ロシア経済が悪化すれば、ロシアと経済的な結びつきの強い欧州に波及し、世界経済に悪影響が及ぶおそれがある」
--G20の役割は
「G20はリーマン・ショック後の世界経済の深刻な停滞を食い止めようと各国が協調する枠組みだが、ウクライナ情勢という極めて政治的な問題で、G20の利益に反する国が出てきたのは新しい局面だ。地政学リスクに経済を主要議題とするG20がどう対応するのか、今回は試金石になる」
--日本経済への評価は
「大規模な金融緩和と財政支出を支えにデフレ脱却が進んでいることは評価されている。一方、国際公約である2020年度までに国と地方を合わせた基礎的財政収支を黒字化する目標は達成の目途が立っていない。金融緩和と財政出動の効果がなくなっても、膨大な債務残高を抱え、人口減少が進む日本が成長できるのか、世界の関心は高い。日本は財政健全化に向けた取り組みを説明し、理解を得る努力が必要だ」(小川真由美)