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きっとお気に入りの1本が見つかる――イヤフォン・バイヤーズガイド2014年“春” - NewStter

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2026.07.09|コメント(-)トラックバック(-)

きっとお気に入りの1本が見つかる――イヤフォン・バイヤーズガイド2014年“春”


 価格帯別にオススメイヤフォンをピックアップし、耳の肥えた3人のレビュアーが横並び試聴を行うバイヤーズガイドの第4回。今回は実売価格で2万円から3万円のクラスだ。“高級機”と呼ばれる価格帯に入り、特長的な製品が増えてきたようだ。

【お気に入りの1本が見つかる:イヤフォン・バイヤーズガイド2014年“春”(実売2万~3万円編】

 その前に恒例「野村ケンジの一言アドバイスコーナー」。今回はイヤフォンのスペック表に必ずある「インピーダンス」について解説してもらった。

――インピーダンスとは何でしょう

野村氏: 電気回路に交流電流を流したときの抵抗です。単位はオーム(Ω)。そのイヤフォンが、どれだけの電気抵抗のある回路かを示しています。

 ヘッドフォン/イヤフォンの場合、ボイスコイルの巻き数などが抵抗値に影響するため、インピーダンスは「音が鳴りやすいか、鳴りにくいか」を示す指標となります。インピーダンスが低いほうが音は鳴りやすい(大きくなる)が、それを駆動するパワーアンプの負担は大きくなります。

――ヘッドフォンアンプが必要になるということですね

野村氏: 一般的には16~32オームに収めている製品が多いですし、80オームくらいまでならポータブルプレーヤー単体でも問題ないでしょう。ただ、インピーダンスが3桁を超えたら、ヘッドフォンアンプが必要と思った方がいいですね。

――次回は「音圧感度」は取り上げます

●レビュアー紹介

●野村ケンジ(のむら けんじ)

弊誌連載「ぶらんにゅ~AV Review」でおなじみ、年間500本を超えるイヤフォン/ヘッドフォンを試聴・評価する気鋭のオーディオライター。某レーベルのアニソン・ハイレゾ配信を影で支えるスーパーバイザー兼ラブライバーでもある。

●坂井香(さかい かおり)

タレント/モデル/DJ/ヘッドフォン女子。DJ名「@KAOPANGw」(かおぱん)としても知られる。音大出身で特技はピアノ。一方、筋トレやマラソンが好きというアクティブな一面もあり、最近ついにフルマラソンを完走した。拍手。

●滝田勝紀(たきた まさき)

弊誌連載「白物家電、スゴイ技術」担当ライター。約10年間、某モノ雑誌編集部で白物家電やヘッドフォン担当として活躍した後、フリーランスに。「All About」では家電ガイドとして活動、「家電AWARD」の審査員も務める。

 今回取り上げるのは、以下の5機種だ。

●ソニー「XBA-H2」

 昨年秋に登場した新世代の“XBA”。フルレンジのバランスド・アーマチュア型ドライバーに、13.5ミリ径ダイナミック型ドライバーを組み合わせたハイブリッド型に進化した。

 ケーブルは着脱式の1.2メートルY型。イヤーピースは、内部に発泡クッション材料を使用して装着時の安定性と遮音性を向上させた「シリコンフォームイヤーピース」となっている。

●野村 ☆☆

ターゲットにより過ぎて、楽しめる楽曲を選ぶ傾向にある。EDMなどにはピッタリだが、アコースティック系にはあまり向いていない。中域の解像感ももうちょっとほしいところ。ぴったりフィットするイヤーチップを選ぶのがポイント。

●坂井 ☆☆

締まるところをもっとちゃんとチューニングで締めてほしい。中高域も解像感が低く、気持ちよく聴けないし、どうしたソニー? という印象。値段には合わないかな。見た目や装着感もどことなく中途半端でもったいない。

●滝田 ☆☆☆

低域の迫力や中高域の表現なども、悪くはないんだけど、なんとなく“もっと頑張れ!”っていう不完全燃焼感が、打ち込み系やピアノ曲、ロックなど、どれをとっても感じられてしまった。なにか置きにいったチューニング。

●Westone「W20」

 米Westone Laboratoriesの「Wシリーズ」は、「Westone1~4」の後継となるモニターイヤフォン。昨年末に「W10」「W20」「W30」「W40」という4製品が発売された。

 今回の「W20」は、高域用と低域用×2のバランスド・アーマチュア型ドライバー搭載を搭載した2Way3ドライバー構成。付属のフェイスプレートを付け替えることでカスタマイズハウジング、MMCXコネクターによる着脱式ケーブルも特長だ。また、リモコン/マイク付きケーブルや防滴仕様の「モニターヴォルトケース」が同梱(どうこん)されるなどパッケージとしての内容も充実した。

●野村 ☆☆☆

「W10」と比べると広がり感、ダイナミック感がある。高い評価は出せないものの、印象的なサウンドを聴かせようとする音色傾向は悪くない。高域を自然に伸ばして、イキイキとしたサウンドに仕上げた点も好感が持てる。

●坂井 ☆☆☆☆

ロック、ピアノ、J-popと幅広いジャンルの音が聴ける1本という印象。中高域もしっかりと音が聴こえてくるし、変な癖も感じられない。耳にするっと入り、フィット感も悪くないものの、もう一歩のびしろがある気がする。

●滝田 ☆☆☆☆

高いレベルでのオールマイティ感が備わっている。全体のバランスだとやや低域が強い感じながら、ディテールもBAならではの表現力。耳掛け式にしては、すごくカジュアルに装着できるので、毎日使うのにいいかも。

●KEF「M200」

 スピーカーメーカーとして知られるKEFが投入したデュアルダイナミックドライバー構成のカナル型イヤフォン。中高域用の5.5ミリ径、低域用の10ミリ径ユニットを搭載し、アルミ製ハウジングには低域を補完するチャンバー構造を設けた。

 「セキュアアーム」と呼ばれるフレキシブルな耳掛けハンガーも特長。耳の形に合わせて形状を調整できるため、安定した装着性を実現するという。ただ、欧米人にあわせて作られた仕組みは日本人の耳に合うのか?

●野村 ☆☆☆

このイヤーハンガーと円筒形の筐体は大柄で、装着感が日本人向きじゃないかも。音質やデザインに関しては丁寧でいい感じだけに、本当にもったいない。イヤーチップのバリエーションをもう少し増やしたら印象変わりそう。

●坂井 ☆☆☆☆

デザインはシンプルで非常にクール。音は落ち着いた印象。ダブステップなどはゴリゴリした低音が気もちいいが、高域は埋もれがち。奥まで突っ込むことで装着はできたものの、外した後の開放感は気持ちがいいのは事実。

●滝田 ☆☆

日本人の多くは、この硬めのイヤーハンガーや円筒形の筐体を上手に装着できる人は少ないのでは? リスニング以前にストレスを感じてしまう。シルバーの筐体はMacなどともマッチ。デザイン性は抜群なだけにもったいない。 

●Audiofly「AF78」

 オーストラリアに本拠を構えるAudiofly(オーディオフライ)のハイエンドモデル。カナル型イヤフォンを中心に展開するヘッドフォン専業メーカーで、日本ではタイムロードが取り扱っている。

 「AF78」は、バランスド・アーマチュア型ドライバーと9ミリ径ダイナミック型ドライバーを搭載するハイブリッドタイプ。またケーブルには、軽くて丈夫なコーデュラファイバーとケブラーを編み上げた「Audioflex」と呼ぶ独自開発のアウター素材を採用しており、絡みにくい点も特長だ。

●野村 ☆☆☆☆☆

音楽性の豊かさ、表現力ともに申し分のない1本。ダイナミック型とBAのハイブリッドドライバーにも関わらず、スムーズな繋がりで、違和感をほとんど感じさせない、キレの良さとフォーカス感の高さも合わせ持つ。オススメ。

●坂井 ☆☆☆☆☆

音場が広く、ダイナミックで、音楽を聴いていて楽しくなる1本。音量を大きくすると、やや粗さも出るものの、高域が埋もれすぎず、やりすぎないツヤ感も出ていて、ボーカルものも、特に女性の声が明瞭。好印象な一本。

●滝田 ☆☆☆☆☆

高音がよりクリアーに響き、伸びやかな感じがいい。大音量にしても刺さらないので、聴いていて気持ちがいい。低音もピュアに響き、臨場感も感じさせる。個性的なハウジング形状もオシャレ。ハイレベルにまとまっている。

●JVC「FX750」

 JVCが2月下旬に投入したばかりの新製品。筐体や振動板に木製素材を使用した「ウッドシリーズ」のミドルレンジモデルにあたり、薄膜加工した木材を振動板のセンター部分にはりつけた「ウッドドーム振動板」やダンパー構造、木製のデフューザーなど、かなり複雑な構造をしている。

 まるで伝統工芸品のように作り込まれたイヤフォンは、同じく木製のハウジングに収められ、なんともいえない温かみのある外観。そのデザインに対する評価も気になるところだ。

●野村 ☆☆☆☆☆

屋外で使うのにちょうどいいバランスに仕上がった1本。ウッドコーンには小編成のオーケストラやアコースティックがとくにマッチ。昔のロックの名盤なども。ウッドが自然に解像感を減衰していて、聴いていると気持ちがいい。

●坂井 ☆☆☆☆

ウッディで、アイテムとしてちゃんと温もりを感じさせてくれるのがうれしい。見た目に対して、鳴り響く音がしっくり来るので安心感がある。今時、ここまで手間をかけて作るのはJVCならでは。ケーブルに一工夫あれば……。

●滝田 ☆☆☆☆☆

木製のハウジングで作れるのは、日本国内でもJVCぐらい? 背景にあるストーリーも含めて、音を聴くと、その木製のなかでナチュラルに響く音が、さらに良く聞こえる。モノとして手に取った瞬間欲しくなる質の高さも評価したい。

●まとめ

 バラエティーに富んだ製品が並べられたが、名だたる大手メーカーの製品を抑えて最も高い評価を獲得したのは、オーストラリアの新興ブランド“Audiofly”の「AF78」だった。同社は2009年に設立されたばかりのベンチャー企業だが、専業メーカーならではのコダワリが感じられる1本だ。

 次点はJVCのウッドシリーズ最新作「FX750」。「楽器をチューニングするように開発した」という製品は、満点まであと一歩の14点を獲得した。2万円台という価格はそれなりに高価だが、いずれも価格以上の価値を感じさせてくれる“Good Buy”製品といえそうだ。

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2014.03.14|コメント(-)トラックバック(-)
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