
【北京=矢板明夫】中国で知識人への締め付けが強まっている。改革派女性ジャーナリスト、高瑜氏(70)が8日までに当局に拘束されたほか、香港の民主派系出版社の経営者が7日、広東省の裁判所で懲役10年の判決を受けた。民主化運動を弾圧した天安門事件から来月で25年となるのを前に、北京の人権活動家の間で懸念が広がっている。
国営新華社通信によると、高氏の容疑は国家機密漏洩(ろうえい)。昨年6月、知人から共産党中央の機密文書を入手し、国外のウェブサイトに提供した疑いが持たれている。
具体的な内容は明らかにされていないが、関係者によると、党中央がイデオロギー工作の強化を指示した文書だという。新華社は、高氏は容疑を認め、「国家の利益を脅かした」として深い反省の意を示していると伝えた。
しかし、指摘された文書の内容はウェブサイトで公表される前に米メディアにすでに報じられている。これまで2度投獄された高氏は常に当局の監視下に置かれており、「機密情報は入手できないはずだ」と、当局の発表内容を疑問視する知識人もいる。
また、8日付の香港紙、明報などによると、広東省深セン市中級人民法院(地裁)は7日、香港の改革派出版社、晨鐘書局の経営者である姚文田氏に対し、密輸罪で懲役10年の有罪判決を言い渡した。昨年10月に拘束された姚氏は別の1人と化学製品を持ち込み、約75万元(約1200万円)を脱税したとされる。
香港紙などは反体制活動家、余傑氏が書いた習近平国家主席を批判する本「中国のゴッドファーザー」を香港で出版しようとしたことが拘束の理由だと伝えている。