東日本大震災でがれきに埋まった宮城県気仙沼市のサーフスポット、小泉海岸が地元住民やボランティアの清掃活動でよみがえり、サーファーたちが戻ってきた。6日開催されたサーフィン大会にも県内外から多くの参加者が集まった。
小泉海岸は震災後、地盤沈下で海岸線が内陸に200メートルほど後退、海岸は大量のがれきに覆われた。地元住民らは、チェーンソーや一輪車を持ち寄ってがれき撤去を続け、大会が開けるまでになった。
清掃作業を続けてきた堀内美祝(みのり)さん(17)は今回、選手として参加した。宮城県南三陸町の自宅は津波で全壊、今は仮設住宅で暮らす。「子供の頃から遊んでいたこの場所に絶対、戻ってきたかった。みんなで、また同じ海に入れてうれしい」
大会の運営にあたった鈴木優美さん(47)は海岸近くでサーフショップを営んでいる。「多くの仲間がもう一度、ここでサーフィンをしたいと願っていた。再び人が集まるきっかけになってくれれば」。鈴木さんはサーフィンを生かした復興を目指している。(写真報道局 川口良介)
「野村胡堂・あらえびす記念館」と盛岡在住の作家・脚本家の道又力さんが5月31日、「野村胡堂・あらえびす 『銭形平次』と『音楽評論』を生んだ岩手の文士」(文芸春秋)を発刊した。(盛岡経済新聞)
同書は、作家としては代表作「銭形平次捕物控」を、クラシック音楽評論家としては「あらえびす」の名で「楽聖物語」「名曲決定版」などの名著を世に出した野村胡堂の紹介本。阿刀田高、司馬遼太郎などのエッセー、胡堂自身の小説や評論、江戸川乱歩との対談も掲載した。小説や家計簿、胡堂の日記、作品年譜、秘蔵写真など資料も充実させ、作家としての胡堂、音楽評論家としてのあらえびす、人間としての野村長一(おさかず)それぞれの持つ面を知ることができる。
共著者の道又さんは「野村胡堂・あらえびす記念館の開館20周年ということもあり、胡堂さんの全てがわかる本を作りたかった。作家読本ではあるが作品も収録されている。野村胡堂をより深く知ってほしい」と呼び掛ける。
A5判192ページで、価格は1,490円。