
お笑いコンビ「アリtoキリギリス」のメンバーで俳優としてお馴染みの石井正則(41)。幼少の頃の貧乏生活が仕事の糧になっていた。
ほとんどの芸人は下積み時代が貧しいんでしょうけど、僕が一番貧乏だったのは幼少の頃です。母子家庭で僕は3人兄弟の長男。4人で2Kの団地に暮らしてました。僕は同じクラスの子の誕生会に呼ばれることがなかった。お誕生会を開けるような一軒家の子には友達がいなかったから。
でも4年生の時、ちょっとだけ仲のいい友達のお誕生会に呼ばれたんです。プレゼントを買わなきゃいけないのに僕は200円しか持ってない。お母さんにねだって100円もらい、文房具屋さんで300円のシャーペンを買って誕生会に行った。だけど僕以外はお金持ちの子ばかりだから、プレゼントは野球盤とかけっこうな品なんですよ! しかもテーブルに並べられた食べ物やケーキも豪華。
■300円のプレゼントに400円のお返し
僕は心の中で「うわー…」と思いながらシャーペンをプレゼントした。お母さんがジュースを持っていらして、「みんな来てくれてありがとう」と同じ袋に入れられた“お返し”を配ったんですが、それが当時はやり出した、教科書に赤いペンでラインを引き、透けて見える緑の下敷きを本の上に置くとライン部分だけが見えなくなるという、暗記に役立つ学習グッズ! 僕は文房具屋で見てそれが400円だと知ってた。
だから居たたまれなくてごちそうやケーキが食べられなくなり、途中で帰りました。でも早くに家に着くと母親が「何かあったのか」と心配するのは見えていたし、100円ねだった手前帰れず、公園でひとりブランコに乗ってた。それがお金がなくて一番つらかった出来事かなあ。
だから芸人としての下積み時代はつらく感じなかった。団地が横浜なので一人暮らしせずに済んだのが大きいけど、ゲームセンターのバイトで稼いだお金を家に入れ、堅実に節約してました。貧乏暮らしが糧になってる。
■「メシが食えるか、食えないか」
相方が千葉なので、比較的都心に近い僕の団地に泊まり込みでネタを作る。相方が驚いたのがうちの夕飯。ご飯と味噌汁は各自あるけど、オカズは大皿に盛られた一品だけです。「なんだこれは!」と。皿や小鉢に分けられてないからビックリしたみたい。だけど食べたら「うまい!」と感動してた。母親は給食を作る仕事をしてたので料理上手です。「メシが食えていればいい」って母親の教えもあったからか、僕は芸人として「お金が稼げるか、稼げないか」じゃなく、「メシが食えるか、食えないか」という考え方をします。お金よりまず“メシ”。考え方が昭和っぽいんですかね。
だからテレビに出させていただくようになった時、楽屋にお弁当があるのがうれしくてうれしくて。「弁当があるってスゴイよな!」って思ってた。ギャラよりありがたい気がした。その気持ちはずっと変わらず、今でも楽屋入りして「弁当がある!」とうれしくなってます。余分に置いてあれば、1年前まではもったいないので持ち帰ってました。貧しいのに好きなことをやらせてくれて、うまいご飯を食べさせてくれた母親に感謝ですね。いまだに母親は「ちゃんとご飯食べられてるか?」と電話してきます。(聞き手=松野大介)
▽いしい・まさのり 1973年3月、横浜市生まれ。94年に石塚義之とお笑いコンビ・アリtoキリギリスを結成。96年から「タモリのsuperボキャブラ天国」(フジテレビ系)に出演。99年からは「古畑任三郎」(同)シリーズに西園寺刑事の役で出演。その後、俳優としても活躍。
[映画.com ニュース] 毎回、多彩なゲスト声優を迎える人気アニメ「名探偵コナン」の劇場版シリーズ。今春公開されるシリーズ最新作「名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)」では、成長著しい若手俳優・福士蒼汰と、本業のみならず幅広いジャンルで活躍するお笑いコンビ「パックンマックン」のパックンことパトリック・ハーランがマイクに向かい、ともに物語のカギを握る元米軍特殊部隊隊員を演じている。福士は現在20歳で、パックンは来日して20年。“20年”の節目を迎えたふたりが、青山剛昌氏による原作連載20周年を記念する本作で、声優として出会いを果たした。(取材・文・写真/内田涼)
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昨年「あまちゃん」の種市先輩が大反響を呼んだ福士は、本作で声優に初挑戦。日本でミリタリーショップを経営している元海兵隊2等軍曹ケビン・ヨシノに扮している。以前から声優業に関心があったといい、「初めての経験で不安もありましたが、それと同じくらい楽しみでした」(福士)。自身の声優ぶりを「自分ではないキャラクターから、自分の声が聞こえるのは不思議であり、新鮮な感覚です」と語る。
元海兵隊という設定上、英語のセリフも多いが「実は中学の頃、先生に英語の発音を褒められて以来、英語が大好きになって、自分でもずっと勉強を続けてきた」そうで、心配はなかった。それだけに「隣にパトリックさんがいるので緊張もしましたし、実際に自分の英語を聞いてみると、もっとうまくできたかなって反省も。次回機会があれば、もっと完璧に近づけたいですね。海外進出? そのためにも英語ですね」と意欲を燃やす。
初声優で学んだのは「声に色をつけること」だといい、「ふだんのお芝居と大きく違う点で、自分にとっても新鮮でした。例えば、今後コメディをやるとき、『声に色をつける』という経験がうまく生かせるんじゃないかと思っています。声優をきっかけに、もっと面白いキャラクターを演じたり、コメディに挑戦できればうれしいですね」と抱負を語った。
パックンが演じるのは、元陸軍大尉で現在は軍装備品製造会社を経営するジャック・ウォルツ。恰幅が良い外見は、スリムなパックンとは正反対で「もし彼が和食を知っていたら、あんな体型にはなっていないはず」と笑いを誘う。セリフは日本語と英語、両方あり「両方こなせるのは僕しかいないでしょう?! まあ、それはさておき、僕にとっては、日本語のセリフを任せてもらえるのがうれしいですよ。設定にも感謝ですね」と語る。
本作では「英語監修」として、パトリック・ハーランの名前がクレジットされた。「台本を拝見して、細かい点でいくつか指摘させていただき、こちらから『ぜひ監修させてください』とお願いしました。テイクを重ねるごとに、より自然で心地よい映画になったと思います。自分自身も演技がやりやすくなったし、もし蒼汰さんもそう感じてくれたなら、うれしいですね。蒼汰さんの英語? いや、もう言うことなしですよ」。
約20年前に来日した目的は「俳優になること」だったといい、「たけしさん(北野武監督)の映画に出演し、スカウトされて、東京経由でハリウッドデビューしようと思っていた。計画通りにはいかないものです」。だからこそ、声優としてコナンと共演するのは「光栄」だといい、「何より声優の皆さんの素晴らしさに感動しました。仲間入り……というのは恐れ多いですが、ご一緒できて感謝しています」と思いは格別だ。
シリーズ18作目となる本作では、東京で連続狙撃事件が発生。捜査を始める江戸川コナンと女子高生探偵・世良真純は、被害者の関連性から、米海軍特殊部隊ネイビーシールズの存在にたどり着く。コナン、警察、FBIを巻き込んだ劇場版ならではのスケール感が大きな見どころだ。
「長年、コナンくんが愛される理由は、すべての世代が楽しめる要素があるからだと思います。子どもにとって、コナンくんは接しやすい距離感だし、スケボーやサッカーボールなど楽しいアイテムがいっぱい。それと同時に、ストーリーには大人も迷わせるミステリーがありますからね。好きなキャラクターですか? もちろん、コナン君も格好いいけど、僕は工藤新一派です」(福士)
「今回でいえば、兵士の心の傷というシリアスなテーマを取り上げている。アメリカのアニメでは、まずお目にかかれないですよ。アクション描写はハリウッド顔負けだし、親子そろって楽しめるエンタテインメント性はさすが。僕が演じたジャックは決して善人ではないけど、家族思いの一面が見えるシーンもあって、共感ができた。キャラクターの“深さ”も大きな魅力」(パックン)