
50億ドルあれば何ができるだろう。
米画像共有型交流サイト(SNS)のピンタレストを買収する?米電気自動車(EV)メーカーのテスラモーターズのように世界最大級の電池工場を建設する?あるいは、サッカー・ワールドカップ(W杯)の出場チームをすべて買い取るというのはどうだろう。
英日刊紙メトロが先週、最近の移籍金額を基にW杯ブラジル大会に出場する全736選手の評価額を計算したところ、総額3億1264万ポンド(約52億ドル=5300億円)という、とてつもない数字になった。これはスリナムの国内総生産(GDP)や、米音楽配信・音響機器製造のビーツ・エレクトロニクスの買収交渉が最初に決裂した時に米アップルが失った時価総額にほぼ匹敵する。
メトロ紙によると、国別では――当然かもしれないが――開催国のブラジルが総額4億0700万ポンドでトップ。パリ・サンジェルマンが先ごろ、5000万ポンドでの獲得で合意したダビド・ルイスが数字を押し上げた。これはディフェンダーの移籍金としては世界最高額だ。
評価額の高いブラジル代表にはほかに、フッキ(4900万ポンド)、チアゴ・シウバ(3400万ポンド)、ウィリアン(3200万ポンド)などもおり、こうした才能豊かな選手たちがブラジルをW杯優勝に導く可能性がある。ゴールドマン・サックスはすでにブラジル優勝を予想。ドイツ銀行も今週、その可能性が最も高いとの見方を示した。
選手の評価額だけを見れば、ブラジルの優勝はほぼ確定のように見える。国別ランキングで2位のスペインは3億1520万ポンドと、ブラジルに大きく引き離されている。3位は非常に才能のある若い選手をそろえたベルギーで、W杯のダークホースと目されている。
4位はポルトガルで、W杯出場選手の中で評価額が最高レベルのクリスティアノ・ロナルドが大きく貢献。ロナルドは2009年に8000万ポンドでレアル・マドリードに移籍した。
米国は26位(2600万ポンド)で、コートジボワール、ボスニア、ギリシャ、韓国といった国々にも及ばなかった。
最下位はイランで、評価額はわずか360万ポンドだった。
日本時間13日朝に行われたサッカーワールドカップ(W杯)開幕戦で、ホスト国のブラジルは白星発進した。ブラジル国民はさぞや自国代表の勝利を喜んだであろうが、貧困層の人びとはこの「お祭り騒ぎ」を冷やかな目で見ている。中国メディア・中国国際放送局は13日、「W杯は金持ちだけのもの」というホームレス労働者の声を報じた。
記事は、サンパウロにある5000人規模のホームレス労働者キャンプから総工費300億円以上のスタジアムが見えるにもかかわらず、ホームレス労働者はまったく興奮するどころか「W杯はヘリコプターに乗れる人のために開催するもの」といった声が聞かれたと紹介。その含意は「W杯は金持ちだけのもの」ということだとした。
そのうえで、W杯開催反対のデモ参加者は、政府が大量の公費をW杯につぎ込み、国民生活の改善に用いなかったことに不満を持っていたと解説。その例として各地に続々と出現するスポンサーのATMや自動販売機が「社会の下層生活において何の助けにもならない」ことを挙げたほか、ある市民が「病院や学校がないのに、サッカー場はたくさんたくさんある」と皮肉めいたコメントを残したことを紹介した。
また、ホームレス労働者運動(MTST)が、今回のW杯は「国際サッカー連盟の専横とテロリズムがもっともよく表れたもの」と非難したほか、キャンプの支援者が「大部分の人はW杯に反対していて、試合を見ようと思う人などいない」と語ったことを伝えた。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)