米NBAで活躍した中国出身の元プロバスケットボール選手、姚明(ヤオ・ミン)さんが18日、四川省南部の瀘州市を訪れ、チャリティー活動を行った。姚さんは子供たちを交えたシュート対決で敗れ、「腕立て伏せ5回」の罰を受けた。姚さんは230センチ近い長身で、「歩く万里の長城」と呼ばれた。(写真は「CNSPHOTO」提供)(編集担当:古川弥生)
医療・介護制度改正の一括法が18日、成立した。その審議の過程には紆余曲折があった。先月、衆院厚生労働委員会の採決の際には、野党側が猛烈に抗議したが、今月17日の参院厚労委では、粛々と採決に応じた。その代わりに、22項目の附帯決議を採択するという“実”を取った。附帯決議をまとめ上げた元厚労政務官で民主党の津田弥太郎参院議員に、同決議に込めた思いを聞いた。【聞き手・丸山紀一朗】
-一括法が成立したが、審議を振り返って今どのような思いか。
消費税率を5%から8%に引き上げ、その増収分を社会保障の維持と充実に使うという話の中で、この維持と充実の割合をめぐり、自民・公明党と民主党の間で相当見解が違ってしまった。民主は“充実分”をできるだけ多くすべきと主張したが、自民・公明は“維持分”をできるだけ多くするとして、このボタンの掛け違いをしたまま今日に至った。
将来ともに財源的な充実をしなければならないのは確かに分かるが、大きな負担をお願いする以上、今あるさまざまな課題を改善していくという取り組みも並行して行うべきだ。だから、国民の皆さんに知ってもらいたいのは、今回の消費増税による約5兆円の増収分のうち、われわれは少なくとも1兆円は充実分に使ってほしいと言っていたが、実際には5000億円ということになってしまい、そのしわ寄せが今回の介護保険法の改正に相当大きく出てしまったということだ。
もしも充実分を1兆円にできれば、今回のような厳しい内容の改正にはならなかった。特に、予防給付の訪問介護と通所介護を市町村の事業に移行する意図は、政府は否定していても、結果として費用の削減につなげたいという思いがありありと見える。また、一定以上の所得がある人の自己負担を2割にするという問題もあるし、特別養護老人ホームの入所者を要介護3以上の人に原則限定する裏には、特養をたくさんつくりたくないという意思が見え、非常に残念だ。
今回の法律はほかにもいろいろな問題があるが、最大の問題点はこれらだと思うし、われわれの政権の時に思い描いたものと政権が代わった後で大きな違いが出てしまった部分でもある。
-参院厚労委で採択した附帯決議に込めた思いとは。
附帯決議は22項目にわたる。本来19もある法律が一本化されているので、すべて網羅することはできなかったが、医療法と介護保険法の改正の2つがメーンになっている。介護保険法については、充実させる方向の見直しがほとんどなく、効率化の部分が圧倒的に多いということや、介護利用者の方々の負担ができるだけ大きくならないようにしたいという思いで、附帯決議をつくった。
また、医療法では医療事故調査制度(事故調)、これが大きな課題だった。事故調創設の目的は、事故が起きた原因をしっかり探り、二度と同じような事故が発生しないようにするとともに、医療のレベルを向上させるということにあるが、一方、医師の責任をどうするかという問題があり、そのどちらが大事なのかという点がかなり議論になった。
やはり、事故が起きたということは、感情的には医師の責任は多かれ少なかれあるのではないかという意見と、医師の責任を意識し過ぎると医師側は自分をガードし、原因究明にストップが掛かってしまうので、医師の責任はできるだけ抑えて原因究明をしっかりやっていくのが大事なのだという意見との間合いというか、この点が一番微妙だったと思う。言っていることは両方とも間違っていないのだが、制度を前に進めるためにどうしたらいいかと考えると、責任追及よりも原因究明を重視した取り組みが必要なのだと、審議経過の中ではある程度理解されたと思うが、国民の皆さんの認識とはなかなか溝があるかもしれないと思う。
医療事故の当事者に納得をしてもらえるよう医療関係者が丁寧に、真摯に説明できるかがキーポイントだ。医師側が情報を隠せば隠すほど、当事者側の不信感は強まるので、隠さないでやるところに意味があり、医師側を感情的に責任追及するのではなく、再発防止につなげるのが重要になる。この点についての議論は、わたしは、もう少し深めた方がよかったと考えていたので、附帯決議にもその趣旨を盛り込んだ。
-附帯決議の位置付けはどのようなものになるのか。
附帯決議は、目に見えるような形で、法律と同じような効果を持つわけではない。ただし、附帯決議は立法府の決定事項になるので、行政府に対して相当なプレッシャーになる。法律自体は通ったが、法律を実践するに当たり、附帯決議はその方向性について書いてあるので、行政が行う省令の整備や通知、ガイドラインなどの細かいものをつくる上でのプレッシャーになる。そういう意味で効果はあると思う。何年か経って検証するときに、何で附帯決議に書いてあるのにこういうことをやったのかなどと、議論されることになる。
衆院の厚労委では、野党側は採決に反対ということを態度で示した。つまり、委員長に猛抗議を掛け、採決に応じられないと言った。それでも委員長は強引に採決したので、野党側はこのような採決は無効だと主張した。そのようにした以上、この法律に附帯決議は付けられない。一方、参院の厚労委では、委員長が「質疑を終局する」と言い、採決でわたしたちは反対をしたが賛成多数で可決した。法律の内容には反対だが、採決結果は受け入れ、附帯決議を付けるという手法を採った。衆院厚労委は抗議することで“絵”になる戦略を採ったが、それぞれの手法があるということだ。
サッカーのワールドカップに合わせ、ブラジルで開かれる「ロボカップジュニア世界大会」に、滋賀県内の高校生3人のチームと、中学生2人のチームが、日本代表の一角として出場することになった。このうち、高校生チームのメンバーが18日、県庁を表敬訪問し、嘉田由紀子知事に健闘を誓った。
大会は7月にブラジルで開催。自作の自律型ロボット同士でサッカー対決し、専用コートでゴールを決めた数を競う。
出場を決めたのは、いずれも高校3年の京田祐樹さん(18)=県立八幡工業高、金井広行さん(17)=県立河瀬高、山川武聖さん(17)=近江兄弟社高=のチーム「ニトロイヴェンチュアル」と、彦根市立南中3年の馬場竣平さん(14)、彦根市立東中3年の石橋尚之さん(14)のチーム「ビクトリー」。
それぞれ、東近江市教委や彦根市教委などが開催するロボット教室でプログラミングを学んでいる。今年3月にさいたま市で開かれた日本大会で別々の部門に出場し、両チームとも準優勝。世界大会への切符を手にした。
この日県庁を訪れたニトロイヴェンチュアルのメンバーは大舞台を控え、週末に6~9時間集まってロボットの細部の調整やプログラミングの改良をしている。県庁で過去の大会での活躍が映像で紹介され、メンバーが自作ロボットを披露。金井さんは「プログラム通りに動かないときもある。問題点を探して作り直すのが一番大変だけど、成功したときは最高です」と魅力を語り、「ジュニア大会に出られるのは最後の機会。何としても優勝したい」と話した。
16日にはビクトリーの2人も県庁を表敬訪問しており、嘉田知事は「ものづくり県の滋賀にはロボットクリエイターの大先輩が何人もいる。世界大会に2組も出場するなんて」と喜んでいた。