【上海】ぜんそく持ちで中国の大気汚染問題を懸念している中国人実業家のゾン・イーさん(44)は、5月に米電気自動車(EV)メーカーのテスラ・モーターズから納車されたセダン「モデルS」を喜々として受け取った。
問題はこれをどうやって自宅に持ち帰るかだ。
ゾンさんは中国南部の大都市・広州で、スイミングプールの温水器といった省エネ設備の製造を手掛ける会社を設立し、今はそこに住んでいる。テスラは4月に広州から約1300マイル(約2100キロメートル)北の北京で、中国で初となる納車を行った。だが、テスラが両都市間で運営する充電施設はまだ少なく、ゾンさんは自宅まで車を運転することができない。
そこでゾンさんは独自の充電網をつくることにした。インターネットで見つけたパートナーたちの協力を得て、テスラから充電スタンドを1台5000元(約8万円)で20台購入し、広州―北京間の16都市に設置した。
先月、設置を終えたゾンさんは「中国で初のEV充電ロードをつくれたらすごいと思う」と語った。テスラの広報担当者は、このことを知っており、認めていると述べた。
ゾンさんの自力での充電網構築は、中国をターゲットとするテスラなどのEVメーカーが大きな課題に直面していることを浮き彫りにする。
中国政府は、大気環境の改善と石油依存度の低減に向けた取り組みの一環として、国内のハイブリッド車(HV)とEVの数を来年までに50万台、2020年までに500万台に引き上げることを目指している。しかし業界団体の中国汽車工業協会(CAAM)によると、昨年のHV・EV販売台数は約1万7600台(うちEVは1万4604台)にとどまった。乗用車販売台数は約1800万台だった。
主な原因の1つはインフラ不足だ。中国はEV用充電スタンドを来年までに40万台設置しようとしていたが、作業が予定より遅れている。中国国有の送電最大手、国家電網のデータによると、同社は13年末時点で400カ所の充電ステーションの建設を完了した。
自動車コンサルティング会社シナジスティクスのビル・ルッソ社長は価格もネックと指摘し、「中国ではテスラ車を購入する人がようやく現れ始めたばかりだ」と述べた。テスラは中国でモデルSを12万1000ドル(約1230万円)で販売している。同社長によると、中国ではEVの多くは価格が高すぎて手が届かないという。
By Rose Yu and Colum Murphy
台湾メディア・中央通訊社は15日、先日日本の温泉旅館を訪れた台湾人観光客が客室の障子などを破壊して帰ったことがネット上で明らかになり、台湾のネットユーザーから怒りの声が噴出したと報じた。
記事は、栃木県那須町のある温泉旅館に勤める台湾人スタッフが自身のフェイスブック上に「旅館では台湾人客を重視し、友好的に接待しているのに、ある台湾人客2人がふすまや障子を壊した」と写真付きで書き込んだことを紹介。
この書き込みを見た多くの台湾のネットユーザーが激昂、「人肉捜査」(問題となった人物の個人情報を調べてネット上に公開すること)を呼びかける書き込みまで出現し、「告発」した温泉旅館の台湾人スタッフによれば、旅館にも多くの台湾人から問い合わせの電話があったという。
しかし旅館側は「客は賠償金を払い、すでに解決した問題。これ以上事を荒立てるようなことは望まない」と表明した。
ホテル業界に詳しいというある台湾出身の日本人女性は、「ホテルの台湾人スタッフは、同じ台湾人として恥ずかしい行為と思ってフェイスブック上に晒したのだろうが、旅館の同意を経てから掲載すべきだった」との意見を述べるとともに、「日本の旅館における心配りには、客の過失にも耐え忍ぶことも含まれる。国際交流に悪影響をおよぼさないようにと考えるためだ。台湾人観光客は国外での行為を反省しなければならない」ともコメントした。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)