毎回、自身による選曲・構成・演出でおくられる『美輪明宏/ロマンティック音楽会』。そこには、美輪明宏の美学や思いがすべて込められている。今回はどんな歌を選び、どう届けるのか。美輪が今、伝えたいことを聞いた。
『ロマンティック音楽会』と名付けているように、美輪が歌を届ける場所と時間は、いつも、ロマンにあふれている。「ロマンティシズムというのは、人間にとっての“心のビタミン”ともいうべきものです。現代は、肉体の栄養は過剰なぐらいに充足していますが、心のほうは、栄養失調がどんどんエスカレートしているように思えてなりません。『衣食足りて礼節を知る』という言葉があります。今こそその礼節の部分、つまり心のビタミンが、最も必要だと思っているんです」。美輪がそう感じるのには理由がある。「機能性や利便性、経済性ばかりを追求した結果、建物も家具も生活用品も無機質なものが増えてきました。それだけならまだしも、音楽まで無機質になっています。単調なメロディに、叫ぶような歌声……。そんな無機質なものに囲まれていたら、心がささくれ立つのも当たり前です。ですから、せめて私の音楽会では、美しく叙情的な歌詞が綴られたメロディアスな音楽を、お届けしたいんです」。
なかでも今回、中心に歌いたいと考えているのは、明治・大正・昭和の時代に愛されてきた日本の歌。「まさしく、私が語りを務めさせていただいている朝ドラ『花子とアン』の時代の歌です(笑)。『ごきげんよう』という挨拶に表れているように、あの頃は、言葉遣いも美しく丁寧だった時代。夫婦や親子の間にもちゃんと礼節がありました。その古き良き時代の雰囲気を醸し出す歌をご用意するつもりです。たとえば、松島詩子さんが歌った『喫茶店の片隅で』とか、淡谷のり子さんの『別れのブルース』か『雨のブルース』。それから、シャンソンのほうでは『枯葉』。今の時代にはどこからも聴こえてこない、美しくエレガントで安らぎがある音楽ばかりです」。リクエストの多い「愛の讃歌」や「ヨイトマケの唄」も、もちろん期待できる。また、美輪のアイデアによる舞台美術の美しさも、心のビタミンになるはずだ。「ロマンに包まれ、心が安らげば、人にやさしくなれますし、ひいては戦争だって起こらないんです」。美輪が歌に込めるメッセージは、果てしなく大きい。
『美輪明宏/ロマンティック音楽会』、大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティの公演は、7月22日(火)まで2次プレリザーブ先行(抽選)を受付中。東京・神奈川・埼玉・北海道公演は発売中。
取材・文:大内弓子
三菱重工業は7月16日、米国フロリダ州のオーランド国際空港向けの移動施設として、全自動無人運転車両システム(APM)の建設工事をオーランド空港公団から受注したと発表した。
三菱重工によると、住友商事の協力を得て米国三菱重工(MHIA)を通じて受注。新たに整備する複合交通ターミナルと空港ターミナルを結ぶ約2.3kmの路線新設工事のほか、メインターミナル~サテライトターミナル間約600mを結ぶ既設2路線の置換工事も行う。車両は18両を供給する。
また、営業運転の開始から5年間は、MHIAと住友商事が共同出資するクリスタル・ムーバー・サービス(CMS)が運行・保守(O&M)を行う。O&Mはさらに10年間のオプションも含まれている。
納入完了は2018年の予定。三菱重工の米国向けAPM受注は5件目で、オーランド空港向けは初めてになるという。
《レスポンス 編集部》
【ニューヨーク=黒沢潤】イスラエル軍によるイスラム原理主義組織ハマスが支配するパレスチナ自治区ガザ地区への地上侵攻をめぐり、国連のフェルトマン政治局長は18日、双方の戦闘を終結させるため、潘基文(パン・ギムン)事務総長が19日に中東地域を訪れ、調停に乗り出すことを明らかにした。イスラエルなども直接、訪問する見通し。
フェルトマン氏は18日の安全保障理事会の会合で、「ガザ地区からイスラエルへの無差別ロケット弾攻撃を非難する」と強調する一方、イスラエル軍の反撃も過剰だと警告した。
ただ、イスラエルのプロソル国連大使は「ハマスはパレスチナ人犠牲者を(イスラエル攻撃の)プロパガンダに利用している」と強調。パレスチナのマンスール国連大使は「(イスラエル軍の)犯罪」を終結させるよう安保理に訴えるなど非難の応酬が続いている。
ロイター通信によると、パレスチナ自治政府のアッバス議長は同日までに、パレスチナ人を国際的な保護下に置くよう求める書簡を潘氏に提出した。ただ、国連外交筋によれば、アッバス氏が具体的に何を求めているかは不明瞭だという。