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2026.07.02|コメント(-)トラックバック(-)

「もう人に迷惑をかけません…」最低男・上島竜兵再び!「上島ジェーンビヨンド」キャストインタビュー


 お笑いトリオ・ダチョウ倶楽部の上島竜兵が主演を務めた映画「上島ジェーンビヨンド」が、4月26日よりシネマート新宿ほかで順次全国公開される。

 同作は、「地球を感じたい」という一心で、上島が後輩芸人・有吉弘行とともにサーフィンに挑戦したドキュメンタリー映画「上島ジェーン(2009年公開)」の続編。千葉・志田下の海を舞台に、上島演じる“稀代の最低男”がもたらす愛と狂気の物語が息つく暇なく展開され、今回も衝撃のラストが上島を襲う。

 インタビューでは主演の上島をはじめ、上島とともにサーフィンに挑戦したダチョウ倶楽部のリーダー・肥後克広、今作で久々のアイドル仕事となった元AKB48・元SDN48の野呂佳代を直撃。映画での役柄の中だけに収まりきれない上島の最低なプライベート&撮影エピソード、作品の魅力を聞いた。(取材・文/豊田隆二)

 ---前作「上島ジェーン」から5年ぶりとなる続編が完成しました

上島:あれはあれで終わりと思ってたんですけどね。そしたら去年、監督から「『上島ジェーンビヨンド』って面白くないですか?」って電話がかかってきて大笑いですよ。「ああ、『アウトレイジ』のパクリですか(笑)。面白そうですね。もし撮っていただけるのであれば撮ってください」って答えたら、話が進んだと。

 ---あの時、上島さんは死んだと思いきや、なんと生きていた、と

上島:設定は全然違うんですけど、「アウトレイジビヨンド」でも、死んだのかなと思わせてから、たけしさんが生きてるところから話が始まるじゃないですか。監督も、その部分がリンクしてると思って「ビヨンド」ってつけたんじゃないですかね。タイトルはそういう意味でパロディっぽくなってるんですけど、もともと監督には続編を作りたいっていう構想はあったみたいです。

 ---前作から今作の間、上島さんが何をしていたかの描写は一切無いですよね。意外にそこが気になったりする所でもあるのですが

上島:そこまで思って見てくれると嬉しいですね。監督も「その間の話も作りたい」って言ってました。ただ、今回は前作を見てもらってから見てくれるのが一番嬉しいんですけど、見てなくても分かるような内容になってますんで。前回の映像も要所要所に散りばめながら作ってます。

 ---前回は死にましたけど、今回のオチについてはどう思いますか?

上島:死んだというオチを超えるものとなるとなかなか難しい所なので、最初はちょっと弱いかなとも思ったんですよ。でも、最後の一悶着あるシーンは前回に負けないくらい面白いものになったと思います。

肥後:スッキリしたよね。

野呂:スッキリしたけど、まさかの展開ですよね。

肥後:演技上ではポカーンって感じですけど、心の中ではガッツポーズですよ、上島という最低男がああなって、ざまあみろですよ。スッキリしたいい映画になったと思います。

 ---冒頭の部分では有吉さんも出てきますけど、有吉さんと「ビヨンド」について何かお話はしました?

上島:有吉とは前、番組で一緒になったんですけど、「コメント撮りがめんどくさい」って言ってましたね(笑)。まあ、有吉らしいですけど。今回は有吉の役だった所をうちのリーダーがやってくれてね。

 ---肥後さんが出演した経緯は?

上島:自由気ままで最低な人間を演じる僕と上手くコンビネーションを組めて、一番気が合うんじゃないかって所でリーダーが選ばれたんじゃないですかね。もともとリーダーの演技力は結構レベル高いしね。

 でも、最初思ったんですよ。有吉は後輩だったから、あの関係性にも自然さが出たけど、リーダーとは普段お笑いで仕事をしていることもあって、いざ演技となるとわざとらしい感じになるんじゃないかなって。

 それが、監督の作り方が良かったこともあって、リーダーとは本気で口喧嘩したり殴りあったりすることができたんです。ただ、役に入り込みすぎて、撮影後もお互いギクシャクしてしまってね。まあ、こいつ(肥後)が俺を避け出したって話だけど。でも、今は仲いいですよ。仲いいよな?

肥後:……(そっぽを向き無言)。

上島:おいおい、まだ引きずってるのかよ(笑)

 ---その点についてはノーコメントということで(笑)。肥後さんは出演してどうでした?

肥後:もともと「上島ジェーン」という作品のファンだったので、「ビヨンド」で出演できるということを聞いて非常に嬉しかったですね。

 でも、あれはね、スクリーンで見てると笑っちゃうんだけど、いざ自分が出るとイライラしちゃうとういうか、ほんと上島は最低だなって。

上島:ハハハ(笑)

肥後:(共演してる)地元のサーファーのみなさんたちも、カットがかかると笑いながら「こんなヤツいないよなー」って言うんですけど、実際上島さんは演技なんてしてないから。千葉の海ではなく、中野に行ったら同じことをやってますから。居酒屋で大声で客の女と揉めたり。

上島:別に揉めてないよ!(笑)

肥後:揉めてるんですよ。「おっぱい触らせろ」とか(笑)。

上島:バカヤロー!(笑)。言ってないよ!触ったことないですからね。

肥後:触れないと怒って、「このヤロー!」とか言っちゃうヤツですから。(笑)。

上島:それは言ったことあるけど、触ってません!触らせてもらえなかったんです。もちろん後で謝りましたよ!

肥後:もうね、本当の人間性を見ぬいた監督の演出が素晴らしいなと思いましたね。

上島:監督がね、ダメ人間が好きなんですよ。カッコつけようが何しようが、この人ダメだなっていう人が好きだから。

 ---上島さんは、自分をダメ人間だと思いますか?

上島:思ってますよ。だから、リーダーが言った通り最初のうちは「違うよ、あれは演技だよ」とか言ってたけど、やっぱり“小さい上島”はいますね。それが監督の演出で大きくなっただけで、普段、あんなとんでもないことはしでかさないですよ。

肥後:そういう意味では嘘ではないね。

上島:たしかに要素は十分にあると思う。でも、この映画みたいなことをやってたら、俺はもう社会から追放されて事務所もクビになってると思うし、友達もいないよ!

 ---上島さんが女性の尻を追っかけるシーンは作品の見所の一つですが、このあたりも普段の延長なんですか?

肥後:あると思いますよ。後輩芸人を使ってナンパさせたりとか。それも居酒屋にいる女子だけの集団にナンパするとか。そして揉めるっていう(笑)。

上島:いやいやいや(笑)。 まあ、作品の見所を話せば、カッコいいサーフィンシーンと音楽、それと俺のダメさ加減と……あとは野呂さんのダメさ加減あたりかな?

野呂:私はちゃんとやってますよ!「九十九里ッターズ」として歌を歌ってたりして。

肥後:あれいいよね。あれは好きだな。

上島:そういう意味で楽しいですよね。今回は「上島ジェーン」の時の倍くらい、俺のイヤな性格が出てるけど、野呂さんやリーダーもそうだし、大久保(佳代子)さんとか品川(祐)くんとかが出てきて上手いこと丸まってるなという感じがします。

 ---九十九里ッターズは、野呂さんにとって久しぶりのアイドル仕事となりましたよね

野呂:そうですね。おかげで、すごい血が騒いでレッスンとか本番も楽しかったんですけど、センターじゃなかったということだけが心残りでしたね。

上島:ハハハ(笑)。

 ---センターではないものの、チームのキャプテンとかではなかったんですか?

野呂:キャプテンっていう感じではなかったですけど、みんなに教えられることは背中で教えられたかなって。

肥後:おー!言うねえ。

 ---私だったら九十九里ッターズをこうしたい、とかありました?

野呂:そうですね、もっとフォーメーションをぐるぐる回したかったですね。

肥後:いいねえ。で、最終的にお前がセンターになるんじゃない?

野呂:そうですね。錯覚させて私が全部センターでいっちゃうっていう(笑)。

 ---役柄上プロデューサーだった上島さんは、彼女たちを見てどう思いました?

上島:曲がすごく気に入ってるんですよね。グループサウンズっていうか、昭和の香りがするベンチャーズっぽい、加山雄三さんっぽい感じで。僕らにとっては、すごく親しみやすい歌で覚えやすいし。そして、メンバーの踊りにキレがあった。特に野呂さんが一番だったね。

肥後:ああ、アイドルをやってたのは本当だったんだなって。

野呂:そこは嘘じゃないですから!

 ---これを機に再びアイドルをやってみたいと思いました?

野呂:もともとやりたいとは思ってたんですけど、こんなところでチャンスをもらえるなんて、といった感じですね。ちゃんとCDにもなりましたし、すごく嬉しいです。あと、私はもともと女優志望なんですよ。一番やりたいのは映画とかミュージカルで。今回は海女さんの格好でずっと踊っての映画出演でしたが……。

上島:第二の「あき竹城さん」ね。

 ---そっちの「アキ」ですか(笑)。野呂さんの活躍はAKB48の後輩たちにとって希望の光になるんじゃないかと思いますが

肥後:そうね。

野呂:そんな重要なポジションにいたことはないですけどね(笑)。30歳になったし、大人の方と一緒に仕事が出来る自分が嬉しいです。

 ---女優として、共演希望者は?

野呂:木村拓哉さんと織田裕二さん。小学校4年生の時に織田裕二さん、5年生の時に木村拓哉さんが好きになって、そこからブレてないんです。

上島:じゃあ、あれだな。この映画だとリーダーがキムタクさんで俺が織田裕二さんみたいなもんだな。

野呂:ちょっと待って!完全に別人だし。

上島:織田裕二さんになるには、あのモスグリーンのコートを着ればいいんだろ?

野呂:それだけじゃないですよ(笑)。

 ---今作では、上島さんもサーフィンのトレーニングを結構してますよね

上島:前回の時は正直泳げないし、海にも入りませんよって言って、別に入らなくていいですよみたいなノリがあったんですけど、今回は出来る出来ないは別にして、出来たら出来たでいいし、出来なかったら出来なかったでいいんだけど、練習を同じペースでやってくださいって言われて。泳げないから本当に嫌だったんですけど、とりあえずやりました。

 ---肥後さんは結構波に乗れてる感じでした

上島:さすが沖縄出身だけあってね。

肥後:僕も出来れば行ってくれみたいな感じだったんです。サーフィンは何十年前にちょっとだけやったけど、俺出来ねーなーと思ってて。でも今回、千葉のサーファーのみなさんにレクチャーされて、フラフラなんだけど行けそうな感じがして、楽しかったですね。ああ、地球を感じるってことはこういうことなんだなって。上島さんが言ってることがやっと分かったって。

 ---その上島さんは、前作に続き今回も地球を感じました?

上島:地球よりも、僕の感じたことは“人に迷惑をかけない”ということですかね。

肥後:そうそう、人の金は使い込まないってね。

上島:今回のストーリーの中にも人の金を使い込む場面があったりして、もう、最低の男だね。

 ---最低男のエピソードとして、撮影中、おもらしをしたとのことですが

肥後:ラストシーンだったんですけど、秋の海はとにかく寒いんですよ。だからすぐにトイレに行きたくなるんだけど、大人だからそこは脱いでやるじゃないですか。この人は脱ぐ脱がない以前に、脱ぐ努力すらしないの。「あそこがトイレです」って言われてるのに「いい、ここでやるって」言って、ウエットスーツがジュワーって。もう、そこにいる千葉のサーファーたちはドン引き。こいつホントに最低だったんだなって。

野呂:その部分が、みるみる変わっていくんです。そうなってる人を始めてみたのでびっくりしました。

肥後:ひどいよね。

上島:すみませんでした……。ってかさあ、我慢できなかったんだよ。脱ぐのがどうしても難しくてね。だからといって一回り大きいのを着ても同じことなんだよね。

 ---その部分は乾くまで待ってたんですか?

上島:海に入ってパシャパシャって…ね。そしたらマネージャーとかが、「そっちの海で!もっとそっちで!」とか言って、一人離れてパチャパチャパチャって(笑)。みんなこれから撮影でそこに入るからね。

 ---他のサーファーの方もとんだ災難ですよね。

上島:そうですね。ただ、この話はよく聞くんですよ。サーファーとか潜る人は、体を温めるためにそのままするって。バーっとおもらしするって。

野呂:……。いや、しないですよ。

上島:聞いたことがあるんだよ。あるんだけど、そんなことしないですよね……。申し訳ありませんでした。誰もしてないです。

 ---とはいえ、これはあくまでアクシデントですからね

上島:そう、アクシデントなの。

肥後&野呂:……(失笑)。

 ---今作も前作に引き続き「東スポ映画大賞」を狙っていますよね。審査委員長の北野武さんに向けて意気込みをいただけますか

上島:殿には本当にお世話になってまして、この間の受賞も多分、たけしさんの一存だと思うんです。我々にとって本当に嬉しい賞でして、また賞を取らせてくれるのであれば、(授賞式のある)ホテルのステージで湯豆腐を顔にあてるでもなんでもしますからお願いします。仮に他の映画大賞を受賞することがあっても、それがベルリン国際映画祭だろうが何であっても、それは受賞できませんと答えて、東スポ大賞をひたすら狙っていきますので。

 ---東スポ大賞以外の賞は興味が無い、と?

上島:えーと……。興味が無いってことではないんですけどね……。

肥後&野呂:あはは(笑)。

上島:素晴らしい賞であれば、いただけるものはなんでも欲しいですけど、とにかく東スポ大賞を狙っています!ファンの皆さんも、前回よりグレードアップした内容をぜひ見ていただいて、楽しんでいただければと思います。よろしくお願いします!!

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2014.04.24|コメント(-)トラックバック(-)

「タニマチ」発祥の地らしい文化支援…「官を恃まず」精神で生き残れ


 開場30周年を迎えた国立文楽劇場(大阪市中央区)の4月公演(27日まで)がにぎわっている。お目当ては、人形浄瑠璃文楽の太夫(浄瑠璃語り)の最高峰で、人間国宝の竹本住大夫(すみたゆう)さん(89)。5月の東京での公演を最後に引退することを決めており、大阪では最後の舞台だからだ。上方(大阪)発祥の伝統文化である文楽にとって、長年にわたって牽引(けんいん)してきた第一人者がいなくなることも一大事だが、それよりも深刻な問題に直面している。

 発端は大阪市の橋下徹市長が「文化についても努力に応じて助成することを基本にしたい」として文楽協会への補助金の見直しを表明したことだ。平成25年度から文楽劇場の観客数によって補助金額を増減させるインセンティブ方式が導入された。満額の補助金(3900万円)を受給するために必要な観客は10万5千人以上。しかし、結果は10万1204人にとどまり、補助金は700万円以上減額されてしまった。

 ◆厳しさが変えた

 文楽だけでなく、大阪市音楽団を民営化するなど、橋下市長は文化に対しては、一貫して「自立」を求めている。橋下市長は、一昨年に文楽を観劇した際に「人形劇なのに(人形遣いの)顔が見えるのは腑に落ちない」「演出をもっと工夫すべき」などと発言した。こうした橋下市長の姿勢については「文化に対して無理解」という批判も確かにある。だが、一方で、保護されるのが当たり前だと思っていた感のある文化団体などに、こうした厳しさが気づかせてくれたことも多かったのではないだろうか。

 補助金削減問題に直面するまで、活発な動きを見せていなかった文楽協会にも変化が生まれた。平成25年度は大阪空港ロビーや泉佐野市の酒蔵などで協会主催のミニ公演を計9回開催。さらに阪急百貨店の祝祭広場やクリスタ長堀でもPRキャンペーンを行った。問題前は一度もなかったことであり、“生き残り”をかけて試行錯誤を繰り返している。

 他の文化団体も新たな取り組みを始めている。

 「団体がやるべきことをやってこなかった面があり、橋下市長の問題提起は評価する」

 こう話すのは、大阪を拠点とするバロック音楽専門の室内楽団「日本テレマン協会」の中野順哉代表だ。

 「文化は保護されるだけの存在ではなく、地域社会にも貢献できるはず」という言葉を実証するように、音楽がもたらす共感を糸口にコミュニティー再生を図ろうと、ベッドタウンでの無料コンサートに乗り出している。

 大阪のイメージアップにつなげようと、米国やドイツなど在阪の領事館の協力も得て領事公邸などでサロンコンサートを開き、文化を通じた国際交流にも取り組み始めた。

 中野代表は「(文化団体も)従来型の発想では生き残れないのでは。文化だけが持つ力をもっと生かしていきたい」と話す。

 ◆経済にも不可欠

 大阪の文化を支えようという動きは経済界からも出てきた。

 民間からの寄付金をもとに関西の芸術・文化活動を支援する「アーツサポート関西」(ASK)が今月設立された。代表発起人の一人でASKの運営委員長を務める、関西経済同友会の鳥井信吾・代表幹事(サントリーホールディングス副社長)は「企業家は文化にも造詣が深かったが、バブル崩壊のころから、文化や教養を語れば変わったふうに見られ口にしなくなった。経済と文化にとって『失われた25年』だった」と話す。

 さらに鳥井代表幹事は「経済にとっても文化が不可欠だ」と指摘する。これまで技術者には専門知識だけが必要だったが、今は専門知識とともに教養と感性が求められており、文化こそが関西を成長させる起爆剤だという。

 「かつて『たにまち』と呼ばれる町衆が、自らの趣味や使命感で文化をサポートしていたのが大阪。そんな歴史を持つ大阪から始めたい」(鳥井代表幹事)。そう、“お上(かみ)”なんかに頼っていては、大阪の街を築いてきた町衆の名折れである。それぞれが何かできることを探すべきだろう。

 関西財界トップが先頭に立っていただけるのは心強い。そこで在阪の企業にお願いしたいことがある。大阪の企業が海外からきた顧客や取引先を歓迎する際は、単にホテルなどでパーティーを開くだけではなく、少し日程に余裕を持たせて文楽やコンサートを観賞してもらい、大阪の「文化力」をアピールしてもらうことはできないか。

 もちろん、われわれも仕事帰りに居酒屋で憂さを晴らすばかりではなく、月1回ぐらいは劇場などに足を運べば、大阪はもっと魅力的な街になるはずだ。(佐藤泰博)

2014.04.24|コメント(-)トラックバック(-)

【OGC 2014】Supercellとの対比で語るガンホー森下一喜氏のゲーム開発論ガンホーは「運営


 OGC 2014のトークセッションでは、ガンホー・オンライン・エンターテイメント代表取締役社長の森下一喜氏が登壇した。インタビュアーは一般社団法人ブロードバンド推進協議会(BBA)理事の松原健二氏が務めた。

 セッションは松原氏が森下氏に質問をしていくという形式で、直前に講演されたSupercell CEOイルッカ・パーナネン氏の講演内容の流れを受けつつ、森下氏のゲーム開発に対する考えなどが質問されていった。本稿では特に面白かった点を抜き出し、一問一答形式で内容をご紹介する。

■ 上手くいってもいかなくても、どちらにしても酒は飲んでますね(笑)

――森下さんは上場企業の社長となっても、企画の最初から参加していますよね。

森下氏: それが1番楽しいですからね。頭を悩ますこともありますが、好きだからやっています。ガンホーを創業するときに、みんながびっくりするものを作りたいなと思って始めたので、自分で作っちゃおうという考えなんです。

 上場してから数年の間はそれができなくなっていたので、今振り返ると腐っていたなあと思いますね(笑)。

――OGCは今回で10周年ですが、ご自身の10年を振り返っていかがですか?

森下氏: 創業当時は世間のオンラインゲームへの理解がなくて、色々な会社に出資を頼みましたが、大体は「オンラインゲームが上手くいくはずない」、「ビジネスとして成り立たない」と言われて断られ続けました。

 スタッフ5、6人ほどで2002年に創業した時に、モバイルでオンラインが遊べる時代が来るとも話していたのですが、それも夢物語くらいの受け取られ方をしていました。

 当時はとにかくがむしゃらで、オンラインゲームでの成功事例もなかったですし、失敗事例もなかったので、正直言ってあらゆるものに対して地雷ばっかり踏んできた10年かなと思います。

――パーナネン氏が「失敗したら祝う」という話をしていましたが、ガンホーではいかがでしょうか?

森下氏: 上手くいってもいかなくても、どちらにしても酒は飲んでますね(笑)。タイトルがヒットするしないは、流れやタイミングもあります。作った本人たちが納得していれば結果がどうであれいいのかなと思っています。

 実は「パズル&ドラゴンズ」以外でも、モバイルのタイトルは全部黒字で、利益を出しています。1本1本は場外ホームランほどではないのですが、きっちりヒットを出せています。自分たちで納得してリリースして、それが共感されたかされていないかの違いではないかと。クオリティに対して徹底してこだわっているというのが大事だと考えています。

――ヒットが出るという話がありましたが、確実に力がついてきた感覚はありますか?

森下氏: 現場にとっては、1本1本を作っていくことに意義があると思います。みんなが経験を積み重ねていくことが大きくて、例えば、「パズドラ」で大きなサーバー障害があった時は、他の開発チームが手を止めて、全員で修正にあたりました。

 基本的にはチームで動いていますが、ガンホーには組織の壁がありません。また「パズドラZ」の制作には、ガンホーのスタッフのほかにゲームアーツのスタッフもいました。チームそのものが混成でものづくりをしています。

 それに対しては現場からのNOの声もなく、誰かが困っていたらみんなで助けるというスタイルができあがってきました。全てはスタッフのおかげですが、縦割りの組織よりは、フラットな組織のほうがやりやすいですね。

――Supercellのいいところは?

森下氏: コラボなどマーケティング面での関わりはあっても、直接的な開発での交流はないのでなんとも言えませんが、最大の違いはガンホーのタイトルは「運営型」で、Supercellは「運用型」ということです。

 よくガンホーは海外の展開が遅いと言われるのですが、ガンホータイトルは日々の運営がタイトルと一体化しているサービスモデルなんです。これはテーマパークと一緒で、日本で9割以上の継続率があるからといってそのまま海外に持っていけるわけではないものです。「ラグナロクオンライン」でも同じことで、サービスをちゃんとくっつけて展開するのがガンホーのスタイルなので、安易にカルチャライズや一朝一夕でできるものではありません。

 一方のSupercellは人数が少なくても一気にリリースできる、運用型モデルになっています。

 ただ、開発リソースが運営に時間を取られてしまい、新しいものを作りたいけどできないという「リソース足りない問題」が出てくるので、運用型のゲームも作っていく必要があるのかなと。同じものではなく、「運営」、「運用」の良いとこ取りができたらと思います。

――新規開発や運営など、スタッフのタイプに合わせた適材適所はどうしていますか?

森下氏: 運営が得意な人は運営より、というのはありますが、基本的には明確な区分けはありません。ネットワークはどこかで繋がってくるので、みんなに開発や運営を経験させていくようにしています。

――では最後の質問です。次のガンホーは何を目指しますか?

森下氏: スマートフォンでもタイトルの本数を重ねましたが、スマートフォンそのものにワクワク感がなくなってきたかなと思っています。

 UIを含めて、操作方法には一通りのパターンが出揃ったような印象があるので、ここで何か新しいアプローチを生み出したいなと考えています。そうしないと、結局は代わり映えしないものができてしまうのではないかなと。ゲームシステムとして面白く、さらにUIとしての新しさでサプライズを与えられるような、新しいアプローチのものを作れるといいなと思います。

 よくプレッシャーがあるのではないかと聞かれるのですが、プレッシャーを感じてたらゲームは作れません。そんなことは考える必要がないので、肩に力を入れずにやっていければいいですね。また新しいことにチャレンジしていくという意味では、チャンスはみなさんにもあります。向上心を持っていれば、可能性としてはヒットメーカーになれる可能性が十分にある時代ではないかと思います。


【GAME Watch,安田俊亮】

2014.04.24|コメント(-)トラックバック(-)
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