『下妻物語』(04) 『嫌われ松子の一生』(06) 『告白』(10) など、強烈なインパクトを放つヒロインを得意としてきた中島哲也監督。その最新作『渇き。』(6月27日公開)で、映画初出演ながらヒロインに大抜擢されたのが、現在18歳の小松菜奈だ。まわりの人々を虜にして、無意識のうちに彼らを悲劇に導く…。美しき魔性を秘めた女子高生・加奈子に、彼女はどのように取り組んだのだろうか。
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オーディションを経てつかんだ加奈子役だが、小松自身はまったく自信がなかったようで、「他の人たちに比べ、自分がまったくダメだと感じてたので、選ばれた時は正直言って驚きましたね。受かった後に、共演者の方々の名前を聞いて、緊張が高まりました。初めて演技をする私が、足を引っ張ってはいけないと……」と当時を振り返る。
そこから加奈子役への準備が始まったわけだが、「演技のレッスンを受けて、喜怒哀楽の表現を勉強したのですが、予想以上に難しかったです。同じ『笑う』にしても、『爆笑』と『ちょっと笑う』の振り幅を表現しなければならない。激しく泣いたり、怒ったりするのも、日常ではめったにやらないですから」と、初めての演技には戸惑いもあったようだ。そんな小松の迷いを消してくれたのが、中島監督だった。「監督からは『考え過ぎずに、のびのび緊張せずに演じた方が加奈子らしくなる』とアドバイスを受けました。中島監督は作品の印象と違って、ニコニコしてやさしかったです」。
行方不明になった加奈子を、とりつかれたように探す元刑事の父親を演じるのが、役所広司。共演シーンはわずかだが、加奈子が父に殴られるという激しいやりとりがある。「役所さんは、休憩中はものすごく穏やかに話しかけてくれるのですが、本番に入ると、恐ろしいお父さんに変身して、その切り替えがスゴかったですね」と、大ベテランの演技に圧倒された小松だが、彼女自身はこの共演シーンに苦労したようだ。「ここは加奈子の心境が変わる大事なシーンで、殴られながら笑うという難しい演技が要求されました。監督のイメージどおりにいかず、なかなかOKがもらえなくて、思わず涙も流れたんです。その時、役所さんが『余裕をもってやろう』と声をかけてくれ、リラックスできましたね」。
演技が初めてとはいえ、12歳からモデルとして活躍していた小松。その経験も加奈子役の演技に生かされ、「クラブで踊るシーンなどで、寄りのアングルで撮られる時は、モデルでの表情の作り方が役立ちました。何より、制服を着たら加奈子になれた気がします。映画に出るなら、現役の高校生のうちに高校生の役を演じたいと思っていたので、念願がかないました!」と、素直な喜びを打ち明ける。
初の映画でヒロイン役というプレッシャーを乗り越え、完成させた『渇き。』。この経験が小松の女優魂に火をつけたようで、「今度はもっと過激な役も演じてみたいですね」と微笑む姿には、加奈子と同じようなオーラも漂う。将来の大器の鮮烈なデビューを、ぜひスクリーンで観届けてほしい。【取材・文/斉藤博昭】
サラ・ジェシカ・パーカー(49)は22分間しかエクササイズが出来ないのだそうだ。長期間に渡るエクササイズを成し遂げるスタミナもやる気も出ないと認めるサラは、毎日少しずつ体を動かすようにしているのだという。
【写真】サラ・ジェシカ・パーカー/フォトギャラリー
17日に(現地時間)にフランスで開催されたカンヌ・ライオンズ・フィルム・フェスティバルでサラは「私がエクササイズをするのは合計22分間よ。だってそれが私の我慢できる限界なんだもの」と語った。
そんなサラは2011年作『ケイト・レディが完璧な理由』の役柄のためにハイヒールで駆け回ったことで、足に痛みを覚えていると以前に明かしていたことから、ジム通いを止めているのはその体力のなさだけでないようだ。
夫マシュー・ブロデリックとの間に12歳の息子ジェームズ君と5歳の双子の娘、マリオンちゃんとタビサちゃんを持つサラは「私は美しい靴を履いていたし、それに文句を言ったこともないわ。でも『ケイト・レディが完璧な理由』をやったとき、すごく私の役柄の衣装について考えていて『(私の演じるケイト・レディは)高級な靴は買えないと思うの。たぶん彼女だったら「ナインウエスト(NINE WEST)」や「アルド(ALDO)」なんかに行くはずよ』って言ったの。だからそこから靴を買ったんだけど、靴の底が革製じゃなくてプラスチックだったもんだから、何度か滑っちゃって、足首をひねっちゃったのよ」。
「足の専門医に行ったら『君の足は出来るはずじゃないことをしているんだよ。ここの骨があるだろ…君はここにあるべきでない骨を作ってしまったんだよ』って言われたわ」「悲しいわよ。だって私はこの足で世界を股にかけていたのに、『ねぇ、僕達つかれちゃったんだ。もうやめてくれない? それに安い靴を履くのも止めてくれる?』って言われちゃったみたいなもんなんだもの」と説明している。
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